兵庫県三木市(みきし)は、古い歴史と自然に恵まれ、伝統産業である「三木金物」が有名な“金物のまち”。

また、温暖で降水量の少ない瀬戸内海気候でため池が多く、日本一の酒米「山田錦」の特A地区が多く存在する日本一の産地でもあり、生食用ぶどうなどの生産も盛んです。また、ゴルフ場数西日本一の25コースを有する「ゴルフのまち」でもあります。

そんな三木市では、ふるさと納税の寄附金を9つの使途に充てており、今回はその中から「団地再生事業~青山7丁目団地再耕プロジェクト~」という事業を紹介します。オールドニュータウンの住宅団地を再生し、多世代の住民が快適にいつまでも住み続けられるまちづくりを目指す取組とは、一体どのようなものなのでしょうか。

本稿では、マイナビふるさと納税担当者が注目する寄附金の使い道について紹介していきます。

今回は、「団地再生事業~青山7丁目団地再耕プロジェクト~」という三木市のふるさと納税寄附金の使い道について詳しく調べてみました!

三木市のふるさと納税寄附金の使い道「団地再生事業~青山7丁目団地再耕プロジェクト~」について

  • 青山7丁目完成予想図

・対象年度:令和6年度~令和7年度
・対象使途:整備工事費及び運営費
・対象事業:団地再生事業~青山7丁目団地再耕プロジェクト~
・その事業に費やした総費用:20億8,000万円(予定)
・総費用のうち寄附金活用額:未定

1960年代頃から高度成長期に生じた住宅不足を解消する目的で、郊外型戸建て住宅団地が全国的に開発されました。しかし、現在は入居から50年以上経過し、同世代が同時期に同じまちに移り住んだことによる問題(高齢化、空き家、若者世代の転出による人口減)が顕在化しています。

三木市でも、1971年から開発したニュータウン地域が人口の約半分を占め、同様の課題が生じているそうです。

この問題を解決するため、大和ハウス工業株式会社と、2020年2月に「SDGs11住み続けられるまちづくりに関する包括連携協定」を締結。官民連携で団地再生事業を進めています。

「団地再生事業~青山7丁目団地再耕プロジェクト~」は、民間事業者の未利用社有地である青山7丁目の7ヘクタールの土地を活用し、行政が担う1.5ヘクタールの開発では、福祉系施設整備に加え、交流拠点を整備することにより魅力の創出を図ります。また、域内で住み続けるための仕組みとして、ライフステージに応じた住居環境を整備し、コミュニティ内で、健康で快適に住み続けることができるまちを目指す取組です。

団地再生事業では、従来の戸建て住宅団地開発とは異なり、ライフステージ(年代や家族構成)に応じて住み替える先を整備。従来のニュータウン地域から新エリア(青山7丁目)に住み替えることで、空いた住宅をリノベーションして新たな世帯が移り住み、地区全体での循環が生まれます。

この取り組みにより、人口減少や高齢化、空き家といった全国的な課題を産官学民の協力によって解決する、郊外型戸建て住宅団地における先進モデルを作り出すことを目指しているのだとか。

具体的には、従来の住宅団地の基盤を活かしながら、福祉施設や周辺の施設、公共施設との連携が強化され、自然と人が集まり、さまざまな世代が交流し、新しい働き方や学び、地域のモノづくり文化を育む場所の整備により、市内外の人々がつながる「まちのリビング」のような場所が生まれ、持続可能なまちづくりを行うそうです。

中心となる「結びの場」では、コワーキングスペースチャレンジショップ、相談窓口、プレイパークなどを通じて人々の暮らしや交流を「おぎない」「つなぎ」「はぐくむ」場を、住民と官民連携により共につくりだすプロジェクトです。

担当者によると、青山7丁目の開発は団地の再生につながるものであり、地域住民の期待も大きく「産官民で取り組んでほしい」「多世代交流施設の建設などを期待している」などの声が寄せられているとのこと。

活動実績は、以下です。

2014年 市と大和ハウス工業による団地再生協議が開始
2016年 団地再生に関し、「三木市生涯活躍のまち構想」が地域再生計画に認定
2017年 (一社)生涯活躍のまち推進機構 設立
2018年~ 各種実証実験・事業等を開始(自動運転、スマートウェルネス、IoTによる事故防止等)
2020年 三木市と大和ハウス工業が包括連携協定締結
2021年 大和ハウス工業が空き家を地域交流施設「たかはしさんち」として整備
2023年 「生涯活躍のまち推進機構」を「みらまち緑が丘青山推進機構」へ改組、青山7丁目造成工事
2024年 青山7丁目造成工事及び特別養護老人ホーム・デイサービスセンター建設工事着手
2025年3月 特別養護老人ホーム・デイサービスセンター施設の開業
2025年度 交流エリアの運営開始(予定)

自治体からのメッセージ

全国的な課題であるオールドニュータウンの再生に向け、まちのリビングをつくることで、世代の循環と多世代の交流を創出する全国初の取組です。日本に共通する課題解決にむけ、ふるさと納税を通じてご寄附いただくことで、真っ先にチャレンジする三木市の取組を応援していただければと存じます。

三木市のふるさと納税返礼品について

今回紹介した「青山7丁目」において障がいのある人や高齢者などの手を通じて育てられた「ミニ胡蝶蘭」や、同じ青山地区で生産されたバッグを紹介します。

ミニ胡蝶蘭 COCOLAN

・提供事業者:大和ハウス工業株式会社
・兵庫県三木市青山7丁目1-2 ココランハウス
・内容量:1鉢
・寄附金額:1万1,000円

「CO-(共に、つなぐ)」「小(こ)」「(胡蝶)蘭」、「こころ」を明るく楽しくする「ランラン♪」という気持ちを語源に、独自の技術を用いて栽培しているミニ胡蝶蘭です。「幸福が飛んでくる」という花言葉をもつ小さな胡蝶蘭が人と人との心をつなぎ温かい関係を紡ぐ存在となれるよう願いを込めて、地域の人々と共に大切に育てているのだそう。

made in HYOGO~Cherry DOLLY BAG

・提供事業者:Mima Hi Seven
・三木市青山
・内容量:1個
・寄附金額:8万7,000円

兵庫県内で生産された革製品「ひょうごレザー」、地元の伝統的織物である「播州織」を使用し、職人が1点1点手仕事でつくった「DOLLY BAG」です。張り感があり、あえてシワの型押しを施したしっとりとしたレザーは、使うほどにつやが増し、やわらかくなっていくため、経年変化も楽しめます。職人がこだわり、時間を費やした逸品です。


今回は兵庫県三木市のふるさと納税寄附金の使い道「団地再生事業~青山7丁目団地再耕プロジェクト~」と、返礼品を紹介しました。住宅エリア、介護・福祉エリア、働くエリア、交流エリアを官民連携により実現する、多世代の住民が快適にいつまでも住み続けられるまちづくりを行う事業です。まちのリビングとして、それぞれの世代が交流できる場があるのは素敵です。取り組みに興味をもった人は、ぜひ一度チェックしてみてください。