Kis-My-Ft2のメンバーで、俳優としても数々のドラマや映画に出演している藤ヶ谷太輔。DMM TVオリジナルドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』(独占配信中)では不愛想な殺し屋役を演じ、キレキレのアクションを披露している。藤ヶ谷にインタビューし、本作出演の感想を聞くとともに、グループ活動や俳優業への思い、今後の抱負などを語ってもらった。

  • 藤ヶ谷太輔

    藤ヶ谷太輔 撮影:蔦野裕

若林稔弥氏による同名の4コママンガを実写化した本作は、ブラック企業のOLから殺し屋に転身した主人公・西野カナコが、凄腕の殺し屋へと成長していくブラックコメディ。奇想天外な主人公・カナコをのんが演じ、不愛想で基本「殺すぞ」しか言わないが、常にカナコを心配し見守る殺し屋の相棒・桜井役を藤ヶ谷が演じた。

――セリフがほぼ「殺すぞ」のみという難しい役への挑戦だったと思いますが、完成した作品でご自身の演技をご覧になっていかがでしたか?

声に出して笑いました(笑)。このとき桜井はどんな顔をしているんだろうと思うタイミングで映った自分の表情に笑ってしまって、いい意味でくだらないなと。社会に斬り込むということでもなく、見終わった後に何かを考えるということでもなく、でも見たら純粋に面白い、そういう作品だなと思います。英(勉)監督、さすがだなと!

――桜井の一つ一つの表情をどのように作り上げていったのでしょうか。

ドライ、リハーサル、本番とあるので、そこでチューニングしていきました。監督が本番中も声を出して笑うので、その声量でなんとなく「あ、こっちじゃないな」とか「この感じだな」とか。監督から「こうしてください」と言われるより、「どうやるのか楽しみにしています」という感じでした。

――英監督を笑わせることができたら「よし!」みたいな感じだったんですね。

そうですね。僕が映るのは、シーンの最後の1カットだけだったりするので、その1発で決めないといけないというプレッシャーもありましたが、本当に面白かったです。

――藤ヶ谷さんにとって本作への参加はどんな経験になりましたか?

ブラックコメディが面白いなというのは、このチームと出会って感じたことですね。今までコメディを断っていたわけではなくて、オファーがなかったんです。英さんをはじめとする今回のチームの嗅覚で、桜井を藤ヶ谷くんがやったら面白いんじゃないかということでやらせていただきましたが、面白かったです。アクションも面白かったですが、時間もかかりますし、想像以上に大変だなと思いました。

――コメディのやりがいに目覚めた作品に?

そうですね。何もしないことをするみたいな、面白かったです(笑)

――アイドル、俳優、MCと幅広く活躍されていますが、今のお仕事に対する思いもお聞かせください。

「二兎を追うものは一兎も得ず」という言葉がありますが、僕は基本的に、もしかしたら五兎を追うものは二兎ぐらい得られるんじゃないかという思いがあるんです。もちろんお芝居だけ、歌だけ、MCだけを極めていらっしゃる方のことをリスペクトしていて、僕らは中途半端と言われたらそこまでですが、僕の中では歌も踊りもトークも全部リズムがつきものだなと思っていて、いろんなリズムを体験することでお芝居でも自分にしか出せないリズムが出せたらいいなと。そして、死ぬときに「全部やっていてよかった」「自分にしか出せないリズムが出せたな」と思って死ねたらいいなと思います(笑)

――すでにアイドル活動のリズムが俳優業にも生きているなと感じる瞬間はありましたか?

まだわからないですけど、生きていたらいいなと思います。英さんが「コメディで人を笑わすほうが泣かすよりも難しい」とおっしゃっていて。人としゃべっているリズムとかテンポの中にどういう言葉をどういう速度でどういう表情で入れるかによって、笑いになるかならないか変わってくると。例えば「心の中で2秒待ってから言ってください」という演出で、その通りにやっても笑いが起きないこともあって、そのときのライブ感らしいんです。それは教えることができないとおっしゃっていました。