建国記念日で祝日の2月11日、市立松戸高校の野球部が主催する「第6回IMちびっ子野球教室」が行われました。2023年にスタートした取り組みとのことで、毎年2回行われており、今回は野球未経験者と経験年数が1年未満の児童・幼児を対象としたものです。ちなみに既に野球経験のある児童を対象としたものは1月25日に行われ、そちらも大盛況とのことでした。あえてこのように経験者と未経験者を分けているのには理由について、市立松戸の朝隈智雄監督はこう話してくれました。

「他競技と比べて野球が遅れている、不利だと思うのが未経験の子どもに対して『0から1にする』ことだと思います。サッカーなどはボールだけあればいいですが、野球はバット、グローブなども必要ですし、ある程度の広さのあるスペースがないとできません。また競技特性的にも、どうしても未経験の子どもに対しては難しい部分が多い。そういうこともあって、未経験の子どもに対するイベントはあえて分けることにしました」

会場である市立松戸のグラウンドに行ってみると、保護者と子どもたちで大盛況。参加した子どもの数は約60人にものぼりました。参加した保護者にきっかけを聞くと、野球部のインスタグラムでの投稿を見てというものや、お兄ちゃんが野球をしていてその繋がりで知ったなど様々でしたが、機会があれば一つの高校のイベントでもこれだけ野球に親しんでみたいという子どもがいることに気づかされました。

ではそもそもこういったイベントを行うことに対して、市立松戸の野球部員の反応はどうだったのでしょうか?野球部長の松浦一樹先生はこう話してくれました。

「監督とも何年も前からこういうイベントをやりたいという話はしていたのですが、コロナ禍もあり、なかなかできずにいました。ようやく落ち着いてきたタイミングで選手たちに『シーズンオフの期間を使ってどうだ?』という話をしてみたら、思いのほか反応が良かったんですね。初年度はこちらも色々と確認しながら進めましたが、今年などはほとんど部員だけで企画して進めています。見ていても感心するようなことも多いですね」

朝隈監督もこの企画をすることで、選手の新たな一面が見えたこともプラスだったと話していました。

この日はまず準備体操からスタートしたが、ただ普通にやるのではなく『ドレミの歌』の替え歌で楽しみながら体を動かす工夫が見られました。準備体操の次は選手と子どもたちで鬼ごっこがスタート。これも子どもが逃げるパターンと、選手が逃げてその腰から垂らしているビブスを子どもが取ろうとするパターンの二通りが行われていました。

その後は投球、打撃、捕球に分かれての野球遊びが行われましたが、ここにも工夫がありました。打撃は普通の柔らかいボールだけでなく、新聞紙を丸めた大きいものも準備して初めてバットを振るような子どもにも当たりやすくしています。投球についてもストライクゾーンのマス目を分けたいわゆるストラックアウトだけでなく、バットを並べて立てて倒れるようにしているコーナーもありました。そして朝隈監督も感心していたのが捕球の遊びです。部員がバックスクリーン上から投げていたのはボールではなく折り紙で、ヒラヒラと舞いながら落ちてくるため、子どもたちも怖さがありません。またこの日は風が強かったこともあって、驚くほど遠くへ飛ぶケースもあり、それを笑いながら追いかける様子は非常に楽しそうなものでした。

最後は2チームに分かれてベースランニングリレーのタイム競争。これも単純に走るのではなく、途中で網をくぐるゾーンや、ケンケンなどで通るゾーンも設けられていました。終了後にはマネージャーから手作りのメダルもプレゼント。終始子どもたちも高校生も楽しそうな様子が印象的でした。

今年のイベントは柳田楓斗くんと宮地優輝くんの2人がリーダーとなって企画したとのことでしたが、終了後に柳田くんに話を聞くと、反省点もあったそうです。

「折り紙キャッチはたまたま学校で遊んでいる子がいて、これは面白いなと思って取り入れました。最初はフライを捕球するのも難しいですが、これなら捕りやすいですし、怖さもないと思ったからです。あとバッティングもとにかくバットにボールが当たるようにということを考えて、大きい新聞紙のボールも用意しました。自分も子どもの時に野球を初めて、何が楽しかったかと考えると、やっぱりボールが打てたことだと思ったからです。ただ最後のリレーは見ている時間が長くて、少し盛り上がりに欠けたのが反省点です。同時スタートにして、もう少し競っているのが分かるようにした方が良かったなと思いました」

子どもたちのイベントということはもちろんですが、このような話を聞くと野球部員にとっても得るものは大きいのではないでしょうか。年々このような高校の野球部による野球振興は増えていますが、まだまだ話題になることは多くありません。市立松戸の取り組みを知って、こういった活動を行う野球部が増えてくれることを期待したいですね。(取材・写真/西尾典文)