演技のみならず、音楽、映画製作、アートと幅広く活躍している女優・のん。DMM TVオリジナルドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』(2月28日独占配信スタート)では、ブラック企業のOLから殺し屋に転身する主人公・西野カナコを演じ、アクションに初挑戦した。のんにインタビューし、本作での役作りを聞くとともに、今の女優業への思いやこれまでの転機、今後の抱負などを聞いた。
若林稔弥氏による同名の4コママンガを実写化。上司からのパワハラに耐え切れずブラック企業を退職した西野カナコは、待遇の良さに惹かれて殺し屋に転職し、隠れた才能を開花させて凄腕の殺し屋へと成長していく。奇想天外な主人公・カナコをのんが演じ、常にカナコを見守る殺し屋の相棒・桜井役を藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)が演じた。
――カナコを演じる際に意識したことを教えてください。
ちょっとぽわ~んとしているように見えるけど、バシッと仕事ができて殺し屋の世界では才能があるという風に見えないといけないので、普通の社畜OLだったけど、決めるところは決めるというギャップが出せたらと思いました。
――カナコは殺しの天才で、全く世界は違いますが、いろんなジャンルで才能を発揮されているのんさんもを天才肌な印象があります。
私も殺し屋だったら獲物は逃がさないタイプだと思います(笑)。素質はあるかもしれない! でも、カナコみたいに瞬時にできる感じではなく、スロースターターで時間をかけるタイプです。昔よりはスタートが早くなってきて、監督の演出に応える瞬発力が高まったり、共演者の皆さんとのリズム感をつかむのが早くなった気がします。
――ご自身が感じたカナコとの共通点はありますか?
あまり共通点はない気がしましたが、ちょっと世間とずれているところは似ているのかなと。カナコとポイントは違うかもしれませんが、「みんなはそうだったんだ!」みたいなことがよくあるので(笑)
――アクションに初挑戦した感想もお聞かせください。
キツくて大変でした(笑)。こんなに自分の体って重いんだって自覚しましたね。受け身をしてから立ち上がるという何でもない動作が難しくて、最初は体が重くて立ち上がれなくて。だんだん運動能力が高まって、筋肉もついてきて、素早く立ち上がれるようになりました。
――のんさんの成長に皆さん驚かれていたのでは?
驚いていました! 「センスがいい」「筋がいい」「向いている」と言ってもらいました。
――今後もアクションに挑戦していきたいですか?
これからもやりたいです! ずっと興味あったんですけどなかなか機会がなくて、今回やっと挑戦できたという感じでした。
――女優デビューから今年で15年になりますが、女優業に対する今の思いもお聞かせください。
ずっと変わらず、「これしかないな」「天職になったらいいな」と思っています。ほかの道が本当に思い浮かばなくて。妹に「役者やってなかったらどうなるんだろう?」と聞いたら、「その辺で野垂れ死んでいると思う」と言われて、一番近い家族にそんな風に言われるということは、本当にほかの道はないんだなと思います。
――演じる楽しさややりがいなど、15年やってきて変化はありますか?
私は迷いがないタイプで、「俳優になるしかない!」と思って高校生のときに上京してきて、デビューしてからずっと楽しいし、面白いし、やりがいを感じています。あまり成果が出ていないときも、評価されていないときも、「私はすごい役者になるんだ!」と思い込んでいました。
――この仕事をしていてよかったと特に感じる瞬間はどういうときですか?
完成したものを見て、観客として楽しんでいるときに、「やっていてよかった」と思います。あと、現場でたくさんの人の手が加わって映像を撮っていて、すべての歯車がカチッと合う素晴らしい瞬間を体験できると「生きてる!」と感じて、それが病みつきになってやめられないなと思います。