「しゃばい」という言葉、聞いたことはありますか? なじみのない言葉で、「どこかの方言?」「スラング?」と疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか。

今回は、この「しゃばい」という言葉の意味や使い方を解説します。

方言? スラング? 「しゃばい」の意味・語源を解説

  • 「しゃばい」を徹底解説

    「しゃばい」とはなんなのか?

ここでは、「しゃばい」の意味や語源を解説します。

「しゃばい」の意味

「しゃばい」とは、「ひ弱」「小心者」「さえない」「格好悪い」という意味で使用される言葉です。簡単に一言でまとめると、「イケてない」ということ。

最近の若者同士の会話でも、「しょぼい」「イケてない」「渋い」というニュアンスで使用されているようです。

ちなみに、ヤンキーが相手を煽る際に使うイメージがある「シャバ憎」という言葉は、「しゃばい小僧」の略語。「さえない少年」「弱そうな男」という意味で使われています。

「しゃばい」の語源は?

「しゃばい」の語源は「娑婆(しゃば)」といわれています。娑婆とは仏語で、苦しみの多いこの世のことを指します。受刑者が刑務所のなかで外の一般社会を「シャバ」というのは、この「娑婆」が由来です。

ドラマや漫画などで、受刑者が出所の際に「シャバに戻ってきた」「シャバの空気はうまいな」と言うのは定番ですよね。

「しゃばい」は死語? 歴史を紹介

「しゃばい」は1980年代に使われていた流行語です。1983年から週刊ヤングマガジンで連載されていた「ビー・バップ・ハイスクール」で世間に広まったといわれています。不良高校生が喧嘩や恋に明け暮れる日常を描いた漫画は当時の中高生に人気を博し、漫画のなかでイケていないヤンキーに対して使われていた「しゃばい」という言葉も、若者に浸透していきました。

その後、「しゃばい」という言葉は時代とともに死語となりつつありましたが、レトロブームによるヤンキー作品のリバイバルなどをきっかけに、再び使われるようになっています。

最近はヤンキーや不良に関係なく、若者の間で「しょぼい」「さえない」という感情を表す際に使われることが多くなっています。

「しゃばい」は方言?

「しゃばい」は福岡の方言としても使われています。福岡での「しゃばい」は、「すぐに故障してしまうもの」「弱いもの」「ボロボロなもの」という意味を表しているのだそう。

若者言葉としての「しゃばい」の使い方・例文

  • 若者言葉としての「しゃばい」の使い方・例文

    覚えておけば若者との会話も盛り上がるかも?

最近の若者の間では「微妙だ」「さえない」などを表すことが多く、威嚇や挑発の意味は含まれないことが多いようです。以下で例文を紹介します。

  • 「今日のお昼コンビニにする?」「それはしゃばくない?」
  • 「昨日の合コンはしゃばかったよ」
  • 「せっかく課金してガチャまわしたのに、これはしゃばいわ」
  • 「しゃばい大人にはなりたくないよね」

「しゃばい」は若者言葉としても方言としても使われる

「しゃばい」は方言としても若者言葉としても使用されています。覚えておけば、どこかで役立つかも?