伊丹十三監督全10作品の4Kデジタルリマスター版を上映する「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」を開催中の東京・TOHOシネマズ日比谷で22日、女優の宮本信子とドラマ・映画監督の塚原あゆ子氏によるトークショーが行われた。
伊丹映画全10作品に出演する宮本と伊丹映画の大ファンだという塚原氏は、昨年放送のTBS系ドラマ『海に眠るダイヤモンド』が出会い。塚原氏は宮本について、「台本をお読みなって現場に入ったときに、“監督、私こういうことを考えてきたわ”っておっしゃりながら入られるのは本当に私は幸せで、一緒に考えて挑んでいける感じが本当に素敵なんです」と振り返る。
また、「カメラが回ると思いもかけないことをなさるんです。最終回に端島のの昔の家に戻っていくシーンがあるんですけど、そこでスタッフは走られると思わずに準備していたので、本当に驚かされました。“わ~走っていかれた~!”みたいな感じで(笑)、本当に楽しかったです」とエピソードを明かした。
一方の宮本は、塚原氏に対して、「もうね、本当に頼もしい! スタッフは皆さん“この方に付いていこう”と思ってらっしゃいます。なぜかと言うと、ものすごく決断が速い。余分なカットを撮りません。だから、“何を待ってるのかしら?”ということがない。はっきりイメージを持ってるから頼もしいです。カッコいいんです。だからすごい才能のある方だなとずっと思ってました」と全幅の信頼。
さらに、「“どうかしら、こうかしら”というコミュニケーションってすっごく大事で、それができて幸せでした。ありがとうございます」と絶賛すると、塚原氏は「褒められると汗が吹き出ますね(笑)」と赤面していた。
伊丹監督に対して演技の提案をすることは「言いません。言える雰囲気ではございません」という宮本。ただ、「リハーサルの時にちょっと違ったことをしてみたりするのは許してもらえるので、“そう来たか!”とか言われるとすごくうれしいんです」と述懐する。
それでも、「本が完璧で、“てにをは”も間違っちゃいけないので、一言一句正しく、それを自分のものにして芝居しなきゃいけない、そういう監督です」と明かした。
「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」は、TOHOシネマズ 日比谷・梅田で開催中で、映画監督デビュー作となった『お葬式』(84年)を皮切りに、『タンポポ』(85年)、『マルサの女』(87年)から『マルタイの女』(97年)まで、全10作品を4K最高画質で1週間ずつ上映。また日本映画専門チャンネルでは、伊丹映画全10作品を4K最高画質で、5月に一挙放送する。
「伊丹十三4K映画祭」の上映スケジュールは、以下の通り。
『お葬式』2月21日~27日
『タンポポ』2月28日~3月6日
『マルサの女』3月7日~13日
『マルサの女2』3月14日~20日
『あげまん』3月21日~27日
『ミンボーの女』3月28日~4月3日
『大病人』4月4日~10日
『静かな生活』4月11日~17日
『スーパーの女』4月18日~24日
『マルタイの女』4月25日~5月1日