「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクは2月17日、「ふるさと納税の確定申告に関する実態・意識調査」の結果を発表した。調査は2025年1月29日~2月3日、全国20歳以上の男女1,566名を対象にインターネットで行われた。

3人に1人は「寄附金控除に手続きが必要なことを知らない」

ふるさと納税をして、寄附金控除を受けるためには「ワンストップ特例制度」か「確定申告」での手続きが必要であることを知っているか尋ねると、全体では65.3%の人が「知っている」と回答。職業別でみると、公務員は92.0%、会社員 (事務系)では77.6%が知っているものの、自営業は「知らない」と回答した人が53.8%と半数を超えており、職業ごとに認知度のばらつきがみられた。

  • ふるさと納税をすると、寄附金控除を受けるためには「ワンストップ特例制度」か「確定申告」での手続きが必要なことを知っていますか?

寄附金控除を受けたことがあるか

寄附金控除を受けるために手続きが必要と知っている人に、過去にふるさと納税をしたことで寄附金控除を受けたことがあるかを尋ねると、ふるさと納税をしたことがないと答えた人を除き、4人に1人にあたる25.2%の人は「寄附金控除を受けたことがない」と回答。

寄附金控除を受けない、または受けなかった理由は、多い順に「手続きの仕方を知らないから」 (39.8%)、「手続きが面倒だから」 (34.0%)と、寄附金控除の仕組みや手続き方法への認知が広がっていないことや、確定申告などに対する難しそうというイメージが影響していると考えられる。

  • 過去にふるさと納税をしたことで寄附金控除を受けたことはありますか?

  • 寄附金控除を受けない、または受けなかったのはなぜですか?

「申告漏れ」に注意! 確定申告が必要になる条件、確定申告の方法を解説

過去に寄附金控除を受けるために行った手続きの方法を尋ねると、全体では「ワンストップ特例制度」が42.6%、「確定申告」が38.7%とほぼ同程度の割合になった。

年代別でみると、20~50代は、確定申告よりもワンストップ特例制度を利用する人の方が多いものの、60代以上は、ワンストップ特例制度を利用した人は27.1%にとどまり、70.0%が確定申告で手続きをしていることがわかった。確定申告をする際の申告方法について尋ねると、多い順に「インターネット」 (63.9%)、「税務署」 (33.4%)、「郵送」 (19.6%)となった。

  • 過去にふるさと納税の寄附金控除を受けるため以下のどの方法で手続きしましたか?

  • 確定申告をする際、以下のどの方法で申告しましたか?

初めての手続きの難易度

初めての手続きの難易度について、半数以上 (52.4%)の人は簡単だった (「すごく簡単」「簡単」「やや簡単」)と回答。

年代別でみると、難しかった (「すごく難しい」 「難しい」 「やや難しい」)と答えた割合は、20代 (71.4%)、30代 (55.0%)、40代 (42.3%)、50代 (34.2%)、60代以上 (22.9%)と、若い世代ほど「難しかった」と回答する人が多くなった。

手続きを行う際に一番時間がかかった作業、または面倒だと感じた作業を尋ねると、多い順に「確定申告のやり方について調べること」 (39.0%)、「寄附金受領証明書を集めること」 (28.5%)、「確定申告書の作成」 (15.3%)。年代別でみると20代のみ「寄附金受領証明書を集めること」 (44.7%)が最も多かった。

  • 初めてふるさと納税に関する寄附金控除を受けるための手続きを行った際、どの程度難しかったですか?

  • ふるさと納税の寄附金控除の手続きを行う際、一番時間がかかった作業、または面倒だと感じた作業はどれですか?

確定申告が必要な条件8つ

確定申告が必要となる主な条件は8つある。まず、申告年度中に、ふるさと納税で寄付をした自治体数が6自治体以上ある場合、確定申告が必要となる。

また、寄付をした自治体のうち1ヶ所でもワンストップ特例の申請が未対応である場合も、確定申告を行わなければならない。

さらに、給与所得者でかつ高額な医療費を支払い、医療費控除の適用を受ける必要がある場合も、確定申告を行う必要がある。

住宅ローン控除を受ける場合も、初年度については確定申告が必要となる。

個人で事業を行っている場合や、年間の給与収入が2,000万円以上ある場合も、確定申告の対象となる。給与所得は1つの会社からだが、給与および退職所得以外の副収入が20万円を超えたも確定申告が必要となる。

さらに、一定額 (年末調整されなかった給与収入金額と給与所得と退職所得を除く各種所得金額との合計額が20万円を超える)の給与所得が2つ以上の会社からある場合も、確定申告の義務が生じる。なお、ワンストップ特例制度が利用できない場合は、確定申告でふるさと納税についても申告しなければならない。

ふるさと納税の確定申告の方法

確定申告の期間は、2025年2月17日から3月17日までとなっている。ふるさと納税の控除を受けるためには、インターネットで申告する方法と、郵送や税務署で申告する方法のいずれかを選択することができる。

インターネットで申告する場合

Step1:必要なものを用意

  • インターネットで申告する場合に必要なもの

まず、マイナンバーカードの暗証番号が必要となる。カードがない場合は、「ID・パスワード方式」でも申告できる。対応するスマートフォン(またはカード読み取り用のICリーダー)も必要だが、ID・パスワード方式で申告する場合は不要となる。

寄附金控除に関する証明書、対象期間の源泉徴収票、還付金受取用口座番号(本人名義の口座情報)も必要となる。

Step2:確定申告書の作成

国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」で確定申告データを作成して、データの送信までおこなえば、確定申告は完了となる。確定申告後の3週間後より所得税がまず還付され、その後、住民税から控除される。なお、インターネットで確定申告すると、書面より所得税の還付時期が早くなる。

郵送・税務署で申告する場合

Step1:必要なものを用意

  • 郵送・税務署で申告する場合に必要なもの

郵送・税務署で申告する場合、寄付を証明する書類(寄附金受領証明書や寄附金控除に関する証明書)、対象期間の源泉徴収票、還付金受取口座番号(本人名義の口座情報が必要)、マイナンバーカードの両面のコピーもしくは番号確認書類+身元確認書類が必要となる。

Step2:確定申告書の作成

国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書 (PDF)を作成して印刷する。

Step3:確定申告書の提出

必要な書類を準備したら、管轄の税務署に郵送するか直接持参できる。確定申告後の1~2ヶ月後より所得税がまず還付され、その後、住民税から控除される。