金曜ロードショーにて3月、スタジオジブリ作品『ゲド戦記』が放送される。

  • 『ゲド戦記』

3月7日に放送される『ゲド戦記』は、宮崎吾朗監督のデビュー作。『指輪物語』『ナルニア国物語』と並ぶ世界三大ファンタジー小説と呼ばれる原作の『ゲド戦記』は、多くの作家や映画監督に愛される作品で、宮﨑駿氏も愛読者のひとり。映画『風の谷のナウシカ』や絵物語『シュナの旅』など、自身の作品にも大きな影響を与えたと語っている名作だ。

物語の舞台は多島海世界<アースシー>。西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の世界に現れ、各地では作物が枯れ、家畜が死んでいく。それは、世界の均衡が崩れつつあることの表れだった。災いの原因を探る大魔法使いハイタカ(ゲド)は、旅の途中、エンラッドの王子アレンと出会う。父である国王を刺し、国を捨てたアレンは心に闇を持ち、得体の知れない“影”に追われていた。ハイタカはアレンと共に旅を続けるうちに、災いの背後には、永遠の命を手に入れようと企む魔法使いクモがいることに気づくというストーリー。

制作秘話1:農作業で元気を取り戻すシーンは監督の実体験!?

絶望の淵にいたアレンは、旅の中で、ハイタカの昔なじみのもとで農作業をすることに。畑を耕すことになったアレンだったが、王子として育てられていたため、うまくできず苦労する。手にはマメを作りながらも、そんな農作業を通してだんだんと元気を取り戻していく。

このシーンは、宮崎吾朗監督が「三鷹の森 ジブリ美術館」の館長をしていたころ、年下のスタッフと接する中で、「太陽の下で労働をすれば、みんな悩みが無くなる」というのを実感したことから、取り入れたシーンなのだとか。

制作秘話2:劇中歌「テルーの唄」の歌詞に込められた想い

劇中で流れる「テルーの唄」の歌詞は、萩原朔太郎の詩「こころ」に着想を得て作詞された。この映画に出てくる登場人物はみんな孤独であり、そんなこの映画の気分が、詩「こころ」に書かれていたからだとか。完成した歌詞には「いろんな人に何かを分けたり、もらったりしていくことが、生きていくことだ」という監督の強い想いが込められている。アレンも、旅路で誰かに助けられたり、誰かの役に立ったりしながら成長していく。「テルーの唄」はテルーのキャラクター像を浮かび上がらせ、さらにアレンや物語全体に大きな影響を及ぼすものになっている。

(c)2006 Ursula K. Le Guin/Keiko Niwa/Studio Ghibli, NDHDMT