マイナビは2月7日、「マイナビ 2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査」の結果を発表した。調査は2024年12月20日~12月24日、大学4年/大学院2年以上で今年就職活動を終えた、もしくは現在活動中の子どもを持つ保護者1,000名を対象にインターネットで行われた。

就活ワード「お祈り」「配属ガチャ」「オワハラ」認知度は?

「就職活動」にまつわる言葉で知っているものを聞いたところ、最も多かったのは「お祈り」(22.1%)で、「勤務地ガチャ・配属ガチャ」(21.5%)、「オワハラ」(20.7%)が続いた。また、今年から新たに選択肢に追加した「早期選考」は19.8%となり、比較的高い認知度となった。

  • 就職活動で話題になる言葉のうち知っているもの

今の就職活動について問題だと感じることは「就職活動開始時期が早い」(26.9%)が最多で、昨年よりも増加した。就職活動のスケジュールは、大学3年生の3月に企業の採用広報活動の開始、4年生の6月に企業の選考の開始というものが正式だが、それよりも早く採用選考を行う企業もあり、大学3年生の3月の時点で既に内々定を保有している学生もいる。「早期選考」という言葉の認知度や就職活動開始時期が早まることによる学業の圧迫などの問題意識から、就職活動が始まるのが早いと感じる保護者がいることがわかる。

  • 今の就職活動において問題だと感じること

子どもの入社する企業に求める特徴「経営が安定」

子どもが入社する企業にどのような特徴があると良いかを聞いたところ、「経営が安定している」(54.1%)が前年同様に最多で、前年より5.5pt増加した。そのほか「本人の希望や意志に沿っている」(20.6%)や「社風や雰囲気が良い」(16.5%)、「福利厚生が充実している」(16.4%) などが上位となった。また、前年からの増加幅をみると「給与や賞与が高い」(14.4%)が前年より2.3pt増加し、増加幅としては「経営が安定している」(前年比5.5pt増)に次いで2番目となるなど、子どもの就職先に待遇面の良さを求める保護者が増えていることがわかる。

  • 子どもの入社する会社への希望

子どもに働いてほしい就職先ランキング

子どもに働いてほしい企業を自由回答できくと、1位は例年と変わらず「公務員」となり、保護者の安定志向がうかがえる結果となった。民間企業の1位は前年同様「トヨタ自動車」で、他にも前年の調査で上位10社に入っていた「NTT(日本電信電話)」、「伊藤忠商事」、「ソニー」、「全日本空輸」、「グーグル」などが今年もランクインした。外資系企業では、前年同様に「グーグル」の人気が根強い。学生の人気企業ランキング上位10社と比較すると、「トヨタ自動車」「伊藤忠商事」「ソニー」「パナソニック」「味の素」など学生と保護者で共通して人気の企業もある一方で、文系学生1位の「ニトリ」や、「みずほフィナンシャルグループ」「三菱UFJ銀行」といったメガバンクなどは保護者側のランキングには見られず、親子間で人気企業に対するイメージが異なっている様子がうかがえる。

  • 子どもに働いてほしい企業

保護者の「オヤカク」経験

子どもの内定企業から受けた連絡として最も多かったのは「内定確認の連絡」いわゆる「オヤカク」で45.2%だった。次いで「内定式・入社式への招待」(17.6%)となり、そのうち子どもの内定企業の内定式に「実際に参加した」という保護者は39.2%、入社式に「参加予定」という保護者は41.9%となった。 企業からこうした案内や連絡を受けることについては7割以上の保護者が「良い印象を受けた」と答えており、理由として「誠実な会社の姿勢が伝わってきたから」「自分の子が評価してもらえたことが純粋に嬉しかったから」のような声があった。企業から内定式や入社式の案内を受けることに保護者側も好印象を持っており、そうした心情から内定式や入社式への参加を決める保護者が多いということが考えられる。

  • 子どもの内定企業から受けた連絡

  • 子どもの内定企業の内定式に参加したか/入社式に参加予定か

  • 子どもの内定企業から連絡を受けて感じたこと

  • 子どもの内定企業から連絡を受けて感じたこと

「103万円の壁引き上げ」に肯定的な声

パートやアルバイトによる給与収入が103万円を超えると所得税が生じる、いわゆる「103万の壁」について、大学生の子を持つ保護者としてどのように感じるかを聞いたところ「もう少し早く施行してほしかった」「もっと引き上げて、子供自らが学費を捻出できるようにしてほしい」のように、引き上げに肯定的な声が寄せられた。特に「物価が上がるもっと前に実施してほしかった」「物価の上昇に伴っていない。一刻も早く上限を上げるか、撤廃して欲しい」のように、物価上昇の影響を踏まえた意見が見られた。

一方で「バイト三昧になるのもよくない」「大学生は勉強が本分であり、まじめに勉強すれば、アルバイトしている時間などないはず」のように、学生の本分である学業への影響を懸念するものや、「アルバイトをしなくても、大学に通えるような制度作りの方が合理的である」「学生がそんなに働かなくてもいい対策を考えて欲しい」のように、学生が生活費や学費捻出のためにアルバイトをしなければならない現状に対する意見も見られた。

  • 「103万円の壁」に関する声