「全日本学生遊技連盟(学遊連)」は、2025年1月18日~19日の2日間にわたり、東京・港区のDMM本社にて「第1回アミューズメント業界ビジネスコンテスト」を開催した。
本コンテストは、18歳~24歳であれば誰でも参加可能な「アミューズメント業界から今後展開される新しいサービス」を考えるという、学遊連の学生企画として、学遊連職員が8カ月間、企画・運営の準備を重ねてきたもの。2024年11月30日の応募締め切りまでに148チーム、総勢308名がエントリー。書類選考によって、7チーム(15名)が本戦出場となった。
初日の18日は、各チームが、メンター、アシスタントともにプレゼン資料の作成やピッチの練習に費やし、19日にビジネスコンテスト本戦を実施。発表の順番は、スライド資料の提出によって決定され、提出が一番早かったチームが一番最後になり、提出の遅かったチームから順に一番手、二番手として発表が行われた。各チームの持ち時間は15分で、プレゼン終了後には、審査員より最大3個の質問が行われた。
本コンテストの審査員は、アンダーツリー 人材部 採用課 課長の増山忠氏、タツミコーポレーション 代表取締役社長の李煥辰氏、DMM.com 事業執行役員の岡崎翼氏、夢コーポレーション 人材部 部長の水野昭彦氏、ユーコー 人事部 人材開発課 課長代理の山下大悟氏に、ゲスト審査員として「SUSURU TV.」でおなじみのSUSURU氏を加えた計6名が担当。
採点ポイントは、「資料の完成度」「ピッチの巧さ」「業界研究度」「市場研究度」「チームワーム」「熱意」「将来性」「ボーナスポイント」の8項目で、最大100ポイント(「熱意」「将来性」は20ポイント)。書類審査の点数や順位は加味されず、本戦15分間のプレゼンのみで審査が行われる。
最終順位は審査員6名の採点ポイントの合計で決定。優勝チームには賞金77万円、2位のチームには33万円、3位のチームには11万円が贈られるほか、上位入賞を逃したチームにも、各企業賞として3万円が贈られる。
本戦一番手として登場した「香川大学起業部」(香川県)がパチンコ台とフィットネスバイクを融合した「健康促進型パチンコ」を提案すると、続く「イキイキした毎日」(徳島県)は、パチンコ台に時計機能を付けて、高級置き時計として海外で販売する事業をプレゼン。「エコフラ」(愛知県)は、エコキャップを入れて回るスロット「eco-FLA」で、リサイクルとアミューズメント業界の掛け合わせをアピールした。
「ARERIS INNOVATION」(愛知県)が、移動式アミューズメント施設「アミューズメント・トラック」による地域活性化を示すと、「JoySphere」(東京都)は旅行業界に着目し、現地調達で身軽におしゃれを楽しむ旅行特化型衣類レンタルサービス「MigaOsha」、「革命デュアリズム」(鹿児島県)は、パチンコ・パチスロにおける若年層の減少の原因を連れ打ち機会の減少と捉え、グループ打ちを可能とする「Cheer Pachi」をそれぞれ提案。そして、「天竜閣」(東京都)は、ふるさと納税を利用して、税金でパチンコが打てる「さとぱち」をプレゼンし、本戦を締めくくった。
各チームの熱いプレゼンに対し、審査員からも想定売上や開発費などの経費の根拠、広告宣伝の手法など鋭い質問が投げかけられたが、各チームともに臆することなく堂々と回答。それぞれのプレゼンが単なる思いつきではなく、しっかりと考え抜かれていることを感じさせた。
審査の結果、「税金でパチンコを打てる」というパワーワードが審査員の心を掴んだ「天竜閣」が見事優勝。そのほかの結果は以下の通りとなるが、「あくまでも今回の審査基準に沿った結果であり、今日の審査基準でなければ順位は違っていたかもしれない」というDMM.comの岡崎氏からは「実現性のあるもの、ないものを含めて、僕らでは思いつかない面白いものが出てきた」と称賛の言葉が贈られた。
「第1回アミューズメント業界ビジネスコンテスト」審査結果
1位:天竜閣/494pt
2位:JoySpere/472pt
3位:イキイキした毎日/444pt
4位:革命デュアリズム/444pt【DMMぱちタウン賞】
5位:ARERIS INNOVATION/406pt【キコーナ賞】
6位:香川大学起業部/395pt【YUKO賞】
7位:エコフラ/371pt【夢屋賞】
※【】内は企業賞
※3位と4位は審査員の決選投票によって決定
「こういったコンテストに審査員として参加するのは初めての経験」というゲスト審査員のSUSURU氏は、「僕らにはないアイデアだったり、業界でも今まで考えつかなかったアイデアがたくさん生まれた革命的な日」と評価し、「パチンコ業界、パチスロ業界を盛り上げていくためには、若い皆さんの力が不可欠」と、今後のさらなる活躍に熱いエールを贈った。