東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~』(毎週土曜23:40~)に出演する松本まりかが、シリーズ第3弾となる今作のこれまでの作品との違いや、主演の大地真央とのエピソードなどを語った。

  • 松本まりか

――『最高のオバハン中島ハルコ』シリーズ第3弾となりますが、オファーを受けた時のお気持ちはいかがでしたか?

もう一回やりたいという想いがあったので、「来たー!」という感じです。とても嬉しかったです。そして今作はタイやカンボジア、台湾でも同時期放送されるということでとても嬉しいです。

――ちなみにプライベートでタイやカンボジアを訪れたことはありますか?

タイは3度ほどあります。16歳の時にタイ料理に出会って、もうそこからタイが大好きになりました。タイ料理はとても詳しくて、メニューに書かれているタイ語を見れば、どんな料理かだいたいわかります(笑)。最も好きなタイ料理を一つあげるなら…「トムヤムムー」のラーメン。複雑で病みつきになる味にハマってしまいました。その大好きなタイ料理をきっかけにタイの文化や歴史にも興味を持ち、今では本当にタイをこよなく愛しています(笑)。

――シリーズ第3弾ということで、顔なじみのスタッフの皆さんも多いと思いますが 現場の雰囲気はいかがでしょうか。

みなさんキャラが濃いので現場はとても楽しいです。またシリーズ第3弾という長い作品は私も初めての経験ですが、最初からスタッフのみなさんとコミュニケーションが取れて、どうしたら面白いものを作れるかというところを一緒に突き詰められるので、とても演じがいのある現場です。

――改めて、菊池いづみという役の見どころを教えてください。

今作では40歳になるいづみですが、庶民感覚は健在です。ハルコさんは、庶民の感覚からはとても理解できないですが、本質をいつも教えてくれる存在。そんなハルコさんといづみのダメさ加減が対比となって、視聴者のみなさんにはどちらも楽しんでもらえると思います。またいづみは無地のキャンパス、真っ白な40歳だと思っています。本当にできないことが多くて、いろいろなことを素直に純粋に受け止めて吸収していくという。ハルコさんに「あなたはダメね」と言われていますが、それでもハルコさんと一緒にいたいと思うのは、語る言葉や生き方が魅力的で、ハルコさんといる人生はとても楽しくて、とても学ぶことが多いからなんです。私がいづみとして感じているハルコさんの魅力を視聴者のみなさんにも一緒になって感じてもらう、ハルコさんと視聴者をつなぐ役だと思っています。

――共演するGEEさんの第一印象を教えてください。

初めてGEEさんにお会いしたのは撮影前にみんなで台本を読み合わせる「本読み」の時でした。片言の英語でおしゃべりするくらいでしたが、芝居というのは国境を越えると感じました。言葉がわからなくても、気持ちが伝わってくるんですよね。それにはとても感動しました。今回、私はGEEさんにトキメクという役ですが、人を好きになる、人を愛するということに、言語という壁はないのかもしれないと、GEEさんに思わせてもらえました。同じように芝居というのは、何を言っているのか、セリフはわからなかったとしても、何を言おうとしているのか、彼から滲み出るほど伝わってきて、そこにとても感動しました。2人の関係がどうなっていくのか楽しみです(笑)。

――中島ハルコが世の悩みや不正を忖度ナシの毒舌でバッサリ斬り倒していく作品ですが、主演の大地真央さんをはじめ共演者の方とどのような作品に作り上げたいと思いますか?

大人になると社会の中で生きていかないといけないですよね。そのため言いたいことも我慢して自分を押し殺して生きるのがいづみだと思うんです。それとは逆に傍若無人だけど本質をズバズバ語り、実は最も調和の取れた生き方をしているのがハルコさんなのかなと思っています。「こうやって生きなさいよ」と社会で苦しくならない生き方というものを教えてくれる。みんなが抱えるストレスを解消して素敵なことを伝えてくれる。そんなセラピーのような作品になったらいいなと思います。事実、「最高のオバハン」は私自身のセラピーにもなっています(笑)

――最後に視聴者の皆さんに一言お願いします。

私事ではありますが、40歳になって初めてのドラマ作品です。このいづみ役のために今までは、かつらでやらせていただきましたが、パツンと人生初の短さというショートにして気合を入れて臨んだ作品です。こんなに明るくて楽しくてエネルギーをもらえる作品というのはなかなかないと思います。皆さんが2025年のお正月から笑顔で幕開けできるような作品になったらいいなと思っています。


そんな松本まりか史上最も短いショートで臨んだ不惑の独身女子・菊池いづみの前に現れるのが、タイのイケメン財閥御曹司・ラン。演じたのはタイで絶大な人気を誇る国民的俳優で日本のドラマ作品初出演となるGEE SUTTHIRAK(ジー・スッティラック)だ。初回放送時もSNSで「舞台がタイ、このイケメンは誰?」と話題になったが、ベールに包まれたタイの国民的俳優もコメントを寄せた。

――タイでは国民的な人気の俳優だと伺いました。タイのドラマや映画では、どんな役を演じることが多いですか?

色々な役を演じてきました。男女の恋人役からゲーマー、チンピラ…60代のおじさん役をやったこともあります。何でもやりますよ(笑)。

――今回演じる「ラン」は大財閥の御曹司ですが、演じる上で苦労した点はありますか?

ランは、これまでに演じたことがないキャラクターだったので難しかったです。僕が今まで演じてきた役の中で一番「良い人」なんです。欠点らしい欠点がなく、ピュアな心の持ち主なので、どう演じたら彼の内面の美しさや温かさが伝わるか、試行錯誤しました。愛情の表現もステレオタイプにならないよう、監督や共演者とじっくり話し合いを重ねました。

――日本のドラマ作品に出演するのは初めてと伺いましたが、日本の雰囲気はいかがですか?

実は日本に来る前に、ありとあらゆる準備をしてきました。何か月も前から食事制限を始め身体を絞り、そしてタイにある早稲田大学の日本語コースに通い日本語も勉強しました。日本の雰囲気はとてもきちんとした感じで、スタッフの皆さんも素敵な方達だと思いました。

――タイの撮影現場と日本の撮影現場で何か違いを感じたことはありますか?

日本の撮影現場は、タイとは何もかも違いますね。仕事の進め方、準備の段階、現場の雰囲気、共演者とのやりとり……ただこの現場で一番感じたのは、お互いの演技のエネルギーを交換する俳優同士のやりとりがタイの俳優のやり方とまったく違っていて、とてもパワーを感じました。言葉で説明するのは難しいですが、すごく良い刺激になっています。

――日本のアニメや文化がお好きということですが、特にお好きなものは何ですか?

日本の文化は本当にどれも魅力的で、語り尽くせません。和食は僕の大好物で、刺身、焼肉、うな丼、ひつまぶし…どれも大好きです。稚内までウニを食べに行ったこともあります。新鮮なウニは、想像をはるかに超える美味しさでした。いつか日本の地方でのんびり暮らしてみたい、という夢もあります。

――タイでは、日本のドラマや映画は人気ですか?GEEさんが好きな日本の作品があれば教えてください。

もちろん大人気です。特にアニメは若い世代に人気で、僕も「ONE PIECE」「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」などたくさん観ています。日本のラブストーリーも好きで、小松菜奈さんが出ている映画はほとんど観ています。「糸」にはとても感動しました。

――『最高のオバハン』は中島ハルコが世の悩みや不正を忖度ナシの毒舌でバッサバッサと斬り倒していく作品です。GEEさんは、例えばご両親や先生、先輩などから、愛情を込めて厳しい言葉をかけられたことはありますか?

両親は僕に、とても自由に人生を歩ませてくれました。そして僕が間違ったことをした時は「ほらね、今の失敗は良い教訓になったでしょう?これからどうすれば良いのか、何が正しいのか、自分で分かるでしょ?」と言ってくれました。ハルコさんとは違うアプローチだけど、でも問題を抱えている人を立ち上がらせて解決に導いてくれる、という点では同じだと思います。

――最後に、日本の皆さんにメッセージをお願いします。

今回の『最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~』はタイやカンボジアも舞台になっていて、いつもと少し違うハルコさんの世界を楽しんでいただけると思います。僕は初めての日本のドラマ出演でとても緊張もしましたが、皆さんに楽しんでいただけるよう精一杯頑張りましたので、ぜひ応援をよろしくお願いします。

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