今年コンビ結成15年を迎え、ラストイヤーとなった漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2024』で初の決勝進出を決めた双子漫才コンビ・ダイタク(兄・吉本大、弟・吉本拓)にインタビュー。決勝への切符をつかんだ心境や、22日(18:30~)にABCテレビ・テレビ朝日系で生放送される決勝戦へ意気込みを聞いた。

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    双子漫才コンビ・ダイタク(左から兄・吉本大、弟・吉本拓)にインタビュー

「『おめでとう』より『よかったね』という言葉の方が多い」

6度目の準決勝で決勝初進出を決めたダイタク。大は「手応えは21年の方が感じていたというか、今回の準決勝の空気感が例年と違って、みんな『ウケてるけど』って首傾げて帰って来るコンビが多くて、僕らもネタ終わった後に『ウケたけど、例年これぐらいウケているしな』という感覚で。でも、見ている人が『絶対行ったよ』とかLINEくれて、本当かなって」と準決勝を振り返り、拓も「信用ならなかったです」と打ち明けた。

決勝進出が決まった時は安堵の気持ちが大きかったという。大が「僕らは5回、9組呼ばれないというのを経験しているので、5組目ぐらいでほぼ諦めるというか、今年もダメなのかと。そうしたら7組目で呼ばれてほっとしました」と言うと、拓も「ほっとしましたね。手術成功したみたいな感覚です」と同調した。

周囲の反応について、大は「決勝に行って『おめでとう』より『よかったね』という言葉の方が多いんですよ。みんな『ダイタク、M-1行けた方が今後のためになるけど、あいつらだったら行かなくてもなんとか飯食っていけるか。でも行けるに越したことはないよな』みたいな空気感があって、僕らが行った時に『お前ら本当によかったな』と言ってくれるので、みんなも心配していたんだなと思いました」としみじみ。

拓は「若手の劇場だと、決勝に行ってからの方が露骨にウケますね」と変化を告白し、「スベっても、『ファイナリストだから』と心のどこかで(笑)。ただスベるのと意味合いが違う」とも。ただ、『M-1』の決勝に出ていないと存在を知らない人も多いと感じているそうで、「決勝に出たらもっと反応が変わるのかなと思いながらやっています」と期待を口にした。

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決勝まであと4日「そんなに実感がない」

決勝まであと4日と迫っている。拓は「そんなに実感がない。例年敗者復活戦に出させてもらっていたんですけど、その時とそんなに変わらない」と述べ、大も「本番迎えて当日現場に入ったら実感が湧くのかなという感じで、僕も実感ないというか。普通に過ごしています。今は緊張感はないです」と語った。

普段、ネタ合わせすることが少ないという2人。拓は「『M-1』の準決勝当日もちゃんとやったのは1回くらいです」と明かし、決勝当日のシミュレーションをしているか聞かれると「あんまりないです」と回答。大は「うまくいこうがいうまくいくまいが、もうラストイヤーで出ることはないので、その安心感の方が強いのかな。『M-1グランプリ』なんて出ないに越したことないので。精神すり減らすだけなので」と心境を説明した。

また、『M-1』に向けて壮行会をたくさん開いてもらっているそうで、拓は「昨日も囲碁将棋の根建(太一)さんからわざわざLINEが来て、お世話になっている作家の山田ナビスコさんも来てくれて、1時過ぎまで飲んじゃって」と明かした。

そして、『M-1』が2人にとってどんな大会になっているかという問いに、大は「僕らは5、6年目ぐらいからいろんな方に『絶対このまま続けておけば決勝行けるよ』とずっと言われていたんです。2015年に初めて準決勝に行って、決勝もそのうち行けるなという感じで、ずるずるなかなか行けなくて、後輩が行って焦りや不安も多少ありながら、まだ大丈夫だろうと思っていて、あと3年か4年ってなった時に焦りが強くなってきて、この2~3年、準決勝でウケたのに行けないってなった時に、もう縁がないのかなと諦めというか、『M-1』にそこまで思いを寄せていたらほかのことができなくなってしまうので、考えているけど考えてないふりを。じゃないと精神安定できないという気持ちでやっていて、今年行けて本当にほっとしたとかラッキーという感覚に近いです」と回答。

拓は「結果、決勝決まってめっちゃうれしかったんですけど、自分の喜びより、行けるって期待したり応援してくれている人が喜んでいるのが本当にうれしかったので、恩返しの場所ですね」と表現し、「それだけのために漫才やっていたわけではないし、『M-1』が始まる前から漫才師や芸人になりたいと思っていましたが、『M-1』ができてしまった以上、目指さざるを得ない。『M-1』に行けなくても劇場とかでめちゃくちゃ笑い取っている人がいっぱいいるから、『M-1』だけがすべてじゃないんですけど、その人たちも含めて、みんな『M-1』に出たかったって言っていたので、出られてよかった」と語った。

今年の審査員は、若林正恭、礼二、山内健司、塙宣之、博多大吉、哲夫、柴田英嗣、海原ともこ、石田明の9人に決まった。

大は「松本(人志)さんがいないということがどう影響するのかなと思っていて、あと、若林さんとか山内さんとか、チャンピオンじゃない方も審査されるということなので、どうなるんですかね。楽しみです」と述べ、拓も「ほとんどの方が現役でバリバリやられている方なので、松本さんいなくて寂しいというのがありますけど、現役でやられている方にどう評価してもらえるか楽しみです」と話していた。

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有楽町よみうりホールで単独ライブ開催決定

来年2月20日に東京・有楽町よみうりホールで単独ライブ「ダイタクの伝家の宝刀」を開催することも決定。本日18日17時30分よりチケット先行受付がスタートした。

大は「『M-1』の決勝に初めて今年行かせてもらうことになって、マネージャーから『よみうりホールを押さえました』と連絡が来て。単独ライブはルミネ、祇園、福岡とか、いろんな吉本の劇場でやらせてもらったんですけど、外小屋ではあまりやってこなかったので、これだけ大きいホールでやるというのは初めてです」と語る。

内容については、拓が「まだ何も決まっておりません」ときっぱり。大は「すごく楽しいライブになると想定しております。僕ららしいライブにしたい」と述べ、さらに「2025年は全国いろんなところでライブをやっていこうと思います。せっかく『M-1』決勝に行く機会があったので、多少の知名度を持って臨めるのであれば全国回りたい」と意気込んでいた。

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