香ばしいパンの香りが漂う暖かい雰囲気のパン屋さんを目にした時、なぜか嬉しい気持ちになる方も多々いらっしゃるのではないでしょうか？
横須賀市の長井海の手公園「ソレイユの丘」や農産物直売所「すかなごっそ」などから程近い閑静な住宅街に、主に土曜日を中心にOPENするパン屋さん『ぱん屋つっつー』があります。
人を幸せにする食べもの「まちのパン屋さん」になる夢
横須賀市長井で生まれ育ち、まちのパン屋さんに勤めていたお母さんの持ち帰るパンが大好きだったという店主の北村さん。子どもの頃からずっと「パン屋さん」になるのが夢だったと言います。
高校卒業後すぐに都内の大手パンメーカーに勤めますが、配属は接客業務やパティシエ業務だったため、その間10年近くは、パン作りを独学で学び、作り続け、スキルを身につけていったそうです。
その後、知的障害者施設でパティシエ経験のクッキー製造やパン作りを施設の人たちに教えるようになります。
その時、パン作りなど経験がなかった人たちがイキイキとし、売上で社員旅行に行けるようになるなどの変化を目の当たりにし、驚きと嬉しさでいっぱいだったそうです。
この時の経験は、独立を見え据えた際の考え方や方針など、思考する上で大切な時間になったと言います。
おしゃれなバルのような雰囲気のお店
転機が訪れます。東日本大震災を発端にNPO活動に参加し、災害があった際も役に立つことも考えるようになり、お店の形態は「キッチンカー」。それも、お客さまが店内に入って接客できるスタイルを取りたいと考え、なんとロングの2トントラックので営業することにしたそうです。
こだわりのキッチンカーは、ブラックサッシの開口から光がたっぷり差し込む明るくモダンな印象。内装は洗練された中にもカウンターや天井の木の風合いが優しく、心地よさを感じるインテリアです。中に入ってしまうとキッチンカーだったことを忘れてしまうほどです。
カウンターケースの中や上には、パンやスコーンなど商品が見やすく並んでおり、来店された方はみなさん、楽しげに商品を選んでおられました。
「作り手の顔が見える」パンは、地域との新しいつながりのきっかけにも
３人のお子さんの母でもある北村さんのパンや焼き菓子には、国産小麦や材料、安全性、ひと手間を大切にするなどのこだわりがあります。
農法にこだわった横須賀小麦をはじめ、規格外とされてしまう地元野菜や魚などの食材を利用しているそうです。
ソーセージやベーコンは、保存料など使用せず、畜産から製造まで一貫したものを仕入れるなど、「生産者の顔が見える原材料」にもこだわっており、とても高い熱量を持ってパンを提供していることが伝わってきます。
そのためか、取材中もお子さん連れで来店されるご家族が多いようです。年配の方は、店主の北村さんと話すのも楽しみに、焼きたてのパンを求めて来店されていたり、お客さま同士の出会いなど、来客の方同士で、挨拶したり、笑ったり、話に盛り上がったり。
加えて、三浦半島に別荘をお持ちの遠方の方も来られているようで、地域の新しいつながりのきっかけやコミュニティの場としても機能を感じます。
週末はテイクアウトのパンと…
『パンは本当に人を幸せにする食べ物』
テイクアウトさせていただいた各種パン。もっちり感や、サクッと感など種類によって違う味わいが楽しめます。
■ぶどうのパン720円/1本（税込）たっぷり練り込まれた有機レーズンは一度蒸してあるそうで、粒がふっくらで、どこを食べても、レーズンと出会えます！軽くトーストすると、中はもっちり食感で、クラスト（耳の部分）が薄めのサクッ感が香ばしく、ぶどうパン好きにはたまらない美味しさです。
■しらすパン250円（税込）しっかり入った釜揚げしらすと、パン生地との旨味ハーモニーが楽しめます。オリーブオイルとにんにくが食欲をくすぐり、ワインが欲しくなるパンです。地元長井の網元「かねしち丸」の釜揚げしらす だそうです。
■シナモン＆カルダモンロール 350円（税込）シナモンロールとカルダモンロールが一度に味わえる魅惑のロール。たっぷりのクリームチーズが載って、甘すぎず、パクパクと口に運んでしまうクセになるパンです。有機シナモンと有機カルダモンのスパイス感がコーヒーとよく合う印象です。
■フィッシュバーガー500円（税込）地元長井の漁師から旬の白身魚を仕入れた自家製タルタルソースのバーガー。バンズは国産小麦と横須賀小麦の全粒粉を配合。サクッと軽いバンズが新鮮で、白身魚のフライとバランスがとてもあいます！この日の魚はコロダイだったそうです。
■スコーン150円（税込）国産小麦と横須賀小麦の全粒粉を配合した、アールグレイの茶葉をとドライフルーツの洋酒漬けが練り込まれ、食感と風味の調和が楽しめます。ティータイムにいいですね。
■カヌレ280円（税込）外側はカリッと香ばしく、内側はもっちりした食感にラム酒の風味豊かな味わい。口当たりはほのかに甘く、食べると優しい甘さが広がります。
■かわいい ポイントカード車以外で来店すると、ポイントがもらえるそうです。小麦を収穫するまでの222日の工程を22のポイントに表現した楽しいイラストのポイントカードです。
ぱん屋つっつーをOPENして
2024年2月23日にOPENしたぱん屋つっつー。OPENに際しては、パン作りや子育てなど多くの課題があった中、だんな様や家族の後押し、協力があって実現できたと。また、地域の方々に受け入れてもらえ、「好きなパンを焼いて、そのパンを好きと言ってくれるお客さん」に感謝の気持ちでいっぱいと。最終的には、障害者雇用など福祉の視点も踏まえ、出会った人達を大切に、パンを通じた幸せを広げられるように続けていくのが夢だそうです。
香ばしいパンの香りが漂い、暖かい雰囲気のあるパン屋さん。一つ一つのパンに素材のこだわりや、地元の素材への想いが詰まった「ぱん屋つっつー」にぜひ、行ってください。
【 ぱん屋つっつー 】
営業時間
11:00〜16:00 ※パンが無くなり次第終了
定休日
基本 土曜日営業 ※イベント出店などで予定変更あり。Instagramで営業日を確認してください
電話番号
090-4418-8822
支払い方法
現金、QR決済(PayPay)
禁煙・喫煙
禁煙
設備
簡易テラス席 ※２席×２
アクセス
京浜急行「三崎口駅」からバス。 「荒崎行」に乗車し「井尻」下車。徒歩5分。
住所：神奈川県横須賀市長井3-21-14
駐車場：あり
基本情報
お店の種類
テイクアウト
ジャンル
パン屋
