ちょっ、待て! ちょっと待ってくれ〜!!

先日、人気ハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」が期間限定メニューとして「神戸牛バーガー」をスタンバイしていること、それが素晴らしい完成度であることはお伝えしたが……なんと、さらにその“上”を用意しているらしい。2024年のラストに用意した驚きの隠し玉、その名も……

「神戸牛グラフォアバーガー」!!!!

…ん? グラフォア……って何だ?

グラ……フォア……フォア……グラ……フォアグラ? 神戸牛とフォアグラ!?

ちょっと待って、そんな贅沢が許されるの!? とにもかくにも今年最後にして最強のハンバーガー、ここに爆誕。その正体を解き明かそう。

フレッシュネスの超新作「神戸牛グラフォアバーガー」を実食

油断した。いや、油断させられた。でも、よくよく考えればいつもの手法である。みんなが大好きな期間限定メニュー「パクチーチキンバーガー」が好例だ。

初年度は「パクチー3倍」がMAXと見せかけて、発売後しばらくしてから「パクチー5倍」を追加投入。翌年はデフォルトで「パクチー5倍」も選べるようにしながら、発売後しばらくしてから「パクチー10倍」をぶっ放すなど、波状攻撃を仕掛けてくる常習犯なのだ(ところで来年は何倍盛りのパクチーを出すつもりなのか)。

今回は「神戸牛バーガー」と「神戸牛チーズバーガー」をドカーン!と打ち出しておいて、時間差で「神戸牛グラフォアバーガー」をお見舞いするパターン……かと思いきや、発売日はいずれも12月4日……いやそれ、波状攻撃になってるのか……?

まぁでも、「神戸牛バーガー」の第一報で十分に注目は集めていたし、ここにきて「実はさらに奥の手があるんです」なんて言われると、否が応でも期待が高まる。しかも「グラフォア」って何さ? 超気になるんですけど!

実はこの「グラフォア」は鶏レバーを使ってフォアグラの味を再現した代替製品で、あの日本ハムが手掛けているとのことだ。

世界三大珍味にも数えられるフォアグラだが、高貴な味わいとは裏腹に、その製造工程には問題も多く、欧州などでも生産を禁止する国が増加。日本の輸入量も減少傾向にあり、フォアグラの食文化自体が危機に瀕しているらしい。

そこで日本ハムが着目したのが鶏レバーである。鶏レバーは季節によっては余りがちで、特に冬などは最終的に家畜の飼料に回されることも少なくない。これを活用し、うまいことフォアグラの代替製品を作れれば、食文化を守りながら食品ロスの削減にも寄与できる。

そんなサステナブルな発想で開発されたのが「グラフォア」で、商品名には「これまでのフォアグラの常識をひっくり返す」という意味が込められているらしい(銀座を「ザギン」と言い換える感覚……とはちょっと違うか)。すでに一部スーパーマーケットやネット通販、飲食店、ホテルでも採用されているようだが、まだ浸透し切っているレベルではなさそうだ。

ビーガンでもフォアグラでもいい。より良い世界の実現に向けて代替製品が広がるなんて、どう考えても素敵なことだ。ただし、いくら理想が素晴らしくても、肝心の味がよくなければ一般ユーザーは受け入れてくれないだろう。

「まあまあ、食べられなくもないよね」程度では誰にも響かない。申し訳ないが、ここはシビアに判断させていただこう。そう心を鬼にして「神戸牛グラフォアバーガー」を一口食べてみると……

ウッッッッッッッッッッッマーーーーーーーーー!!!!!!!!!

今、何を食べたんだ!? めちゃくちゃウマい……。もはやフォアグラじゃん! 神戸牛にフォアグラが乗っちゃってるじゃん! なんという贅沢な味わいなんだ……。

まず大前提として、そもそもフレッシュネスバーガーの神戸牛バーガーがウマすぎる。神戸牛の上品な脂の旨みと甘み、風味はやっぱりヤバい。世界でもトップオブトップの牛肉である。そのウマさに付け入る隙はない。

問題はやっぱりフォアグラの代替製品、グラフォアだろう。もっと何かイマイチなところがあるんじゃないかと覚悟していたが、まったくもって期待以上。何より口溶けがすごくいい。このなめらかで濃厚な口溶けは、これまでまさにフォアグラでしか味わえなかったものがいい感じで再現されているように思う。

グラフォアは鶏レバーに豚脂や乳脂肪、植物油脂を混ぜ込んで作っているそうだが、日本ハムの独自技術で油脂を分散することで、絶妙な口溶けの代替フォアグラを作り出すことに成功。脂質は50%弱で、この配合バランスが崩れると口溶けが悪くなったり、逆に固形にならず、ペースト状になってしまったりするらしい。ものすごく繊細なバランス感で成り立っているということだ。

味のほうもフォアグラを彷彿させる高級感のある濃厚な味わいになっており、神戸牛と絶妙なマリアージュを奏でている。牛肉とフォアグラといえばフレンチでいう「ロッシーニ」のコンビであり、相性が悪いはずがない。和風バルサミコソースとも超好相性だ。この高級感、満足感で1250円は相当お得。ちなみに、グラフォアがハンバーガーチェーンのメニューに用いられたのは、今回が初だという。

フレッシュネスバーガーが年の瀬に用意した、最後にして最強のハンバーガー「神戸牛グラフォアバーガー」、ぜひご賞味あれ!