ほかにも、「嵐のマッチョマン」(87年)、「一番偉い人へ」(92年)、そして140.9万枚のミリオンセールスを記録した最大のヒット曲「ガラガラヘビがやってくる」(92年)など、20曲以上を歌いきった2人。
アンコールのアンコールまで全力で走りきり、声をからした石橋から「またどこかでお会いしましょう」と次回開催を示唆する言葉が飛び出すと、木梨は「俺も」と同調。そして、最後に石橋が「ワンフー愛してまーす!」と叫ぶと、木梨はここでも「俺も」と続き、ステージを後にした。
以前、『みなさん』で演出・プロデューサーを務めた港浩一氏(現・フジテレビ社長)にインタビューした際、「貴明は優れたプロデューサー的な感覚を持っている」「憲武は面白い存在感がある」とそれぞれの魅力を語っていたが、この最後のメッセージを含め、今回はそんな2人の“らしさ”が凝縮されているように感じた。
剛腕・港社長が指示? FODで独占配信
『みなさん』のプロデューサーだった石田弘氏にとんねるずの魅力を聞くと、「昔のお笑いの人は、どっちかというとダサいタイプだったけど、とんねるずは身長は高いわ、みてくれは良いわ、歌も歌ってコンサートもやるわ、ドラマも出るわで、エンターテイナーの要素を全部持ってるんだから、それは人気が出るに決まってんじゃない」と答えてくれたことがある。今回の2時間半にわたるライブは、“面白い”だけでなく“カッコいい”が前面に出ており、まさに“お笑い芸人”の活動の概念を壊したとんねるずを象徴する内容だった。
60代になっても、変わらない面白さとカッコよさを見せてくれた2人。彼らのエネルギーをもっと浴びたいのか、終演後にはその姿を一目見ようと、武道館外の関係者出口で待ち続ける大勢のワンフーたちでごった返していた。
『とんねるず THE LIVE』は、フジテレビの動画配信サービス・FODで、12月20日21時からPPV(ペイ・パー・ビュー)独占配信。木梨によると、当初は他のテレビ局で放送されることになっていたが、港社長がFODでの配信を決めたとのことで、それを指示する様子を「おい! うちでやれよバカヤロー!」と、おなじみの“小港”になって再現していた。