2015年に放送されたテレビ朝日系ドラマ『民王』が、9年の時を経てリニューアルし、『民王R』(毎週火曜21:00~※初回拡大SP)として22日にスタートする。前作に引き続き、主演を務めるのは、数々の作品にバイプレイヤーとして出演し、最近ではバラエティ番組でも活躍している遠藤憲一だ。
前作では、菅田将暉演じる息子と入れ替わってしまう政治家・武藤泰山をコミカルに好演したが、令和版となる今回は各話オムニバス形式で、毎話「誰か」と入れ替わるストーリーとなっている。たくさんのキャラクターを演じることになる遠藤は、本作にどのような気持ちで臨むのか、話を聞いた。
一度終えた役と9年後に再会
――ドラマ『民王』が9年ぶりにリブートされて『民王R』として放送されることになりました。また武藤泰山を演じることになり、どんなお気持ちですか。
またあの面白いドラマができるんだ、という喜びと同時に、今回は入れ替わりが結構あると聞いていたのでプレッシャーも感じました。誰と入れ替わるのか、まだ一部しか知らなくて、全部はわかっていないので、自分でもどうなるのかわからないんですよ。初回からいきなり個性が強い人と入れ替わる予定なので(笑)。自分にとってはハードルの高い作品になりそうです。それに、9年間同じ役を演じることは『ドクターX』シリーズなどで経験していますけど、一度終わって、9年経ってまた同じ役を演じるのは初めて。こうやってまた演じさせてもらえるのは、すごくありがたいですね。
――今回は、入れ替わりの相手が息子ではなく、各話でいろいろな相手と入れ替わっていくというストーリーですね。
多分、入れ替わっている時間の方が長いんじゃないかな? 入れ替わる相手について、役のことはわかっていても、演じる方に関しては、もともとよく知っている方もいれば、そうではない方もいるんです。とにかく相手を知っていくことから始めていかなきゃならないので、そこは結構大変ですね。ただ、連ドラって撮影が始まってしまったらもう時間はそんなにないので、なるべく集中して、より面白いものにしていかなきゃと思っています。
――役作りが大変そうですが、どのように入れ替わりの相手のキャラクターを捉えていくのでしょうか。
入れ替わりの相手とどれくらい前に会えるのか、相手が話すセリフがどんな感じなのか、それがまだわからない(笑)。もともとよく知っている人だったら、こういう感じで話す人だろうな、とかはわかるけどね。それでもまるっきり一緒というわけにはいかないと思うので、入れ替わる相手の本人の感じと、その人が演じる役をミックスさせていく作業をなるべく短時間でやっていきます。
若い世代とも自然体で共演できたら
――9年前の撮影の現場はどんな雰囲気でしたか?
にぎやかにやっていましたけど、とにかくスケジュールがタイトで、朝から遅い時間まで、遠くまで行って撮影していて、ずっとバタバタしていました。ただ、放送が始まると同時にドラマ自体がすごく評判になって、菅田将暉くんや高橋一生くんの魅力がさらに爆発する作品にもなったことで、賞もたくさんいただきましたし、いろいろな出来事を目の当たりにすることができた現場でした。
――今回は、なにわ男子の大橋和也さんやあのさんがキャストに加わって、より楽しい撮影になりそうですね。
そうですね。でもまだ撮影には入ってなくて(取材時点)、大橋和也くんにも、さっきチラッと会って、衣装合わせの前に少し、初めましてと挨拶をしたぐらい。テレビとかの印象しかまだわからないのですが、明るくて面白い方ですよね。世代も離れているけど、あまり考えずに自然な感じでコミュニケーションが取れたら。僕ももう、いいおっちゃんですから(笑)。若者に合わせて、とか考えずに、自然体です。あのちゃんも、個性が強烈ですよね。でも以前、何かの番組で宅配の人にバレないための対策で、男声を出していたんですよ。あんな声が出せるんだ! と驚きました。今回のあのちゃんは秘書役なんですけど、実はまだ見せてない部分もたくさんあるんじゃないかな? と楽しみです。
――今回のドラマに臨むうえで、どんなことが大切になりそうでしょうか。
やっぱり入れ替わりが重要で、入れ替わることで自然とおかしくなってくる部分がありますよね。入れ替わったことによるショックで、思わぬことをやってしまったり、想定外の出来事が起こったりするわけですが、そのあたりを表面的な部分だけでなく、入れ替わってその人がどう感じたのか、悲しさや、その悲しさから見えてくるおかしさ、内面の深いところまで表現したい。そこはしっかりと掘り下げて演じていきたいですね。難しいところなんですけど。