10月15日、サントリー「金麦」からビアタイプサワー「金麦サワー」が発売された。ビールとレモンサワーの“中継ぎ”的な存在として、麦のうまみと柑橘系のさわやかな香りを両立させたビアタイプサワーは、どんな料理に合うのだろうか?
ビアタイプサワー「金麦サワー」とは?
「食事にはビール」「食事にはサワー」、あなたはどっち派だろうか? 私はどちらかというとビール派だが甲乙付けがたく、実際は多くの方が「料理による」「タイミングによる」と答えるだろう。というのも、ビールが持つ麦のうまみがたまらない瞬間もあれば、サワーの持つさっぱりとした味わいで食事が進むとき、両方があるからだ。
そんなビールとサワー、両方の魅力を合わせたのがビアタイプサワー「金麦サワー」となる。実は北海道エリアで4月16日に期間限定発売されており、ジンギスカンやザンギなどとの組み合わせがオススメされた。
「金麦サワー」ブランドの担当者は「ビールとレモンサワーの中継ぎ的な存在が欲しいと思っており、金麦サワーを開発しました。晩酌で一杯目にビールを飲んだ後の二杯目として、食事と一緒にゆっくり楽しんでほしい」とコメントしている。
10月15日、この「金麦サワー」が満を持して全国で発売された。だが、説明を聞いてもどんな味わいの製品なのか想像がつかない方も多いはずだ。今回は、ランチ用に準備した中華料理とともに「金麦サワー」を楽しんでみたい。
ビールともサワーとも異なる味わい
「金麦サワー」は、ビール醸造技術でつくった新しいサワーだ。酒類の分類上は「発泡酒」。アルコール度数は6%と、一般的なラガービールと比べると微妙に高め。ますますどんな飲料なのかわからない。
グラスに注ぐと、その見た目は「泡の多いハイボール」だ。注いだ瞬間はビール・発泡酒のように泡立ち、同じようにグラスのふちに泡が残るが、引いていくのが速い。「金麦」と同時にグラスに注ぐと、その違いが分かりやすい。
香りもまったく異なり、パチパチはじける炭酸とともに、麦とレモンが合わさったような独特の爽やかな香りが漂う。「金麦サワー」は香料・甘味料を使用せず、希少なレモンドロップホップ、そして旨味麦芽やシトラホップを使用しているそうで、柑橘類とは異なる酸味の香りも感じる。
口に含むと、これまた想像していなかった味に驚く。甘味料が入っていない(糖類は使用)ので甘くはないのだが、醸造酒らしい風味も広がる。ビールのような舌に残る苦みは少なく、どちらかというと柑橘系の余韻が残り、飲み終わった後はさっぱりとした清涼感で満たされる。
氷を入れるか入れないかでも大きくイメージが変わり、氷無しではより麦の風味と甘みが強くなる。氷を入れると逆に柑橘系が立ち、さっぱりと飲みやすくなる。なんとも面白い飲み物だ。
中華料理と「金麦サワー」を合わせてみる
それでは食事と合わせてみよう。揚げ物との相性の良さはすでに聞き及んでいたので、今回は餃子とエビチリ、空心菜炒めとともにいただくことにした。
まずは肉のうまみが詰まった焼き餃子から。それほど臭みがなく食べやすい餃子だったが、「金麦サワー」との相性は非常にグッド。濃厚な肉のうまみと脂で満たされた口の中をリセットする効果は非常に高く、いくらでも食べられる。とくに氷を入れると最高だ。お昼からガンガン食べれてしまう。
続いて、海鮮系の具材がもりだくさんの棒餃子。こちらも間違いない。肉餃子よりも脂が少なく、さっぱり目で食べられるため、こちらは氷無しのほうが合うだろう。棒餃子と「金麦サワー」の相乗効果で、箸も口も止まらない。
ここでエビチリの登場だ。辛味が強くなく、甘みと酸味が立つタイプのエビチリだったせいか、この組み合わせは酸っぱさが口の中に残ったままになってしまった。どちらかと言えば氷無しで合わせたいが、それよりも素直に「金麦」などのビール・発泡酒とともに楽しんだ方が美味しいだろう。辛味が強ければ合いそうなのだが……
最後に空心菜炒めを頂戴する。にんにくたっぷりで作られた空心菜炒めは、氷を入れた「金麦サワー」がマッチ。口に残るにんにくの風味をさらっと洗い流しながら、シャキシャキ感とシンプルな味わいを繰り返し味わうことができた。
まったく新しいアルコール飲料
これはまったく新しいジャンルのアルコール飲料だ。ともすればビール好きには受けず、サワー好きからも敬遠されそうな味でもあり、絶対的な評価は難しい。だが個人的にはかなりおいしい商品だと思う。
ビール寄り、サワー寄りの商品になりそうなところ、どちらにも日和らずに仕上げたサントリーの英断は“ありよりのあり”だと感じる。ビールを飲んだ後、レモンサワーにいくまでの繋ぎとして2杯目に飲むも良いし、軽く飲むなら最初から「金麦サワー」という選択肢でもおかしくない。金麦との飲み比べも楽しい。
ただし単体で楽しむには少々パンチの弱さも感じるので、最初はぜひ食事とともに試してみてほしい。「金麦サワー」が世の中に広まっていけば新しいレシピも誕生しそうなので、ぜひ継続して販売していってほしいと思った。