10月14日に開業した長崎スタジアムシティ。サッカーファン大注目の場所とあって、県外からも旅行で訪れる人も多いはず。そこで今回は長崎スタジアムシティから少し足を延ばした「長崎必見観光スポット」を3つご紹介したい。
今は出「島」じゃない!? 貿易の窓口だった出島の魅力
まずは、1636年に築造された出島。1859年まで218年に渡り、日本で唯一西欧に開かれた窓として日本の近代文化に大きな役割を果たしてきた場所だ。
しかし到着すると……あの扇形の島ではない!? 江戸時代は海に突き出た人工の島だったが、現在は周辺にビルが建ち面影がないのだ。
現在、出島への入口となっている出島表門橋は、江戸町と出島の"架け橋"となった出島のシンボル。しかし、1888年に撤去されてしまったという。2017年に長崎市が主体となる出島復元整備事業で橋の復元計画が進められ、当時は4.5メートルのほぼ正方形だったものが現在はその倍以上の大きさで復刻した。
出島は開国後、外国人居留地として使われていた。「旧出島神学校」は日本で最古の牧師を養成するプロテスタントの学校。現在は出島運営管理事務所のオフィスとなっている。さらに「旧長崎内外クラブ」は1903年に長崎に在留する外国人と日本人の親交の場として建てられたもの。
「カピタン部屋」はオランダ商館長の事務者や住居として使用されていた出島で最も大きな建物。カピタンというのはポルトガル語で、1番偉い人を指す。
執務室のほかにも、出島で唯一食事をする場所として設置されたテーブルがあり、クリスマスを祝う宴の席が再現されている。当時はキリスト教が禁止されていた時期ということもあり、「阿蘭陀冬至」として祝われていた。
日本最古の木造洋風建築「グラバー園」
グラバー園は長崎港を見下ろすことができるロケーションと、異国情緒あふれる明治期の洋館が絵になる、人気観光スポット。出島では外国人観光客がほとんどいなかったのに対し、グラバー園は多くの観光客でにぎわっている。
今年開園50周年を迎え、国指定重要文化財の旧グラバー住宅・旧リンガー住宅・旧オルト住宅など、市内に点在していた6つの明治期の洋館を移築し復元している。
開園50周年を記念し、旧三菱第2ドックハウスにはハローキティとコラボしたプロジェクションマッピングが投影されるなど、今しか見ることができない演出も魅力。
旧グラバー住宅は1863年に建築された、現存する日本最古の木造洋風建築。ここでスコットランド出身の商人トーマス・グラバーが息子と暮らしていたという。国指定重要文化財に指定されている。
出口付近にある「長崎伝統芸能館」では、長崎くんちに奉納される曳物、傘鉾、担ぎ物などを展示している。「長崎くんち」とは、約370年もの間、長崎で行われている諏訪神社の例大祭。かつて旧暦の9月9日に行われていたことから「9日(くにち)」→「くんち」と呼ばれるようになったのだそう。きらびやかな展示品は長崎くんちを知らない人でも楽しめる。
「老李(らおりー)」の生からすみちゃんぽんは長崎市内でしか食べられない
長崎といえばちゃんぽん。ということで、"生からすみ"ちゃんぽんの元祖「老李(らおりー)」も欠かせないスポットだ。長崎市内に6店舗を構え、加えて長崎スタジアムシティのフードホールにも出店が決定した人気店だ。
東京日本橋にも出店しているものの、そちらでは"生からすみ"ちゃんぽんは食べることができないとのことで、長崎を訪れたら絶対に食べたい逸品だ。長崎ハーブ鶏ガラ濃厚白湯に、たっぷりの野菜や海鮮の具材、長崎のちゃんぽん麺の多くに使用される「唐あくちゃんぽん麺」、そして長崎名物生からすみがトッピングされている。
稲佐山の夜景は見逃せない
最後におすすめしたいのは稲佐山の夜景。稲佐山山頂までは、斜面走行モノレール「スロープカー」に乗れば、約8分で夜景を眺めながら山頂まで到着できる。
意外と知らなかった長崎の魅力は数多く、ここでしか見ることができない&食べることができないものも多い。長崎スタジアムシティとともにぜひ楽しんでほしい。
取材協力: 長崎スタジアムシティ