医師役は初挑戦。「すごく難しいセリフにあふれた役なんだろうなと思っていたら、牧野先生は口数が多くないので、そこは助かったと実は思っています(笑)。今回の作品は医療用語も出てきて、病気と向き合うことももちろんですが、どちらかというと、病気と向き合うことで分かることにフィーチャーしています。だから、命の尊さや大切さも伝えられたらと思いますが、もっと身近な物語として、間口を広げて、柔らかくて優しい光が差し込むような作品にできたらいいなと思います」と意気込んだ。

役作りにあたって、子どもを持つ人から話を聞いてみると、「保健室にお世話になった経験のある子どもをお持ちの親御さんが多い印象を受けました。病気やケガだけではなく、なんとなく学校が嫌だったり、授業がつまらないということだけではない別の理由で保健室に通わざるを得ない子どもたちがたくさんいることを知りました」といい、参考にしているとのこと。

自身の小学生時代と、今の小学生の環境の違いも感じるそうで、「僕の頃は、携帯もなかったし、今ほどネットワークでつながった環境でゲームをしていたわけではないので、そう考えると、今の子どもたちはスマホを持ってSNSをやっていると、自分の居場所が学校や家以外のところにたくさんある。そして、もう一人の自分を抱えて生きている子どもたちが多いように感じます」と理解。その分、「関わる人数も多いはずなので、人間関係で悩んだり、大人と同じような悩みを抱える子どもたちがたくさんいるような気がします」と捉えている。

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森川葵と「思いっきりケンカしたい(笑)」

今作が地上波ドラマ単独初主演となるが、「これは僕個人の考えなのですが、座長としてできることは、実はあんまりないと思っているんです。やっぱり作品はみんなの力で作るもの。もちろん、先頭に立って引っ張っていく力も時には必要だと思いますが、子どもたちを含めみんなで作っていきたいので、“主演”に縛られず、いい雰囲気の現場になるように心がけていきたいと思います」と意識。

「悪い評判があったら、そこを一手に担わなければならない重圧もあると思います」としながらも、「そこばかり気にして楽しくものづくりができないのは嫌なので、現場ではみんなと協力して、子どもたちともスタッフの皆さんとも常に同じ目線でいたいです。むしろ皆さんから意見を頂くことも多いと思いますし、子どもたちから教えてもらうことも多いと思うので、あまり難しく考えず、キャパオーバーのことをしてしまわないように、自然体で現場でいられたら」という姿勢だ。

牧野と対立する教師・篠谷役を演じる森川葵とは初共演。「強い役も弱い役も、全身全霊で体当たりで演じてくださる印象ですが、ある種、篠谷先生は視聴者の方々と同じ目線でいる面があると思うんです。そういう役はすごく難しいと思いますが、どう演じられるのかも楽しみですし、今回、森川さんと共演させていただけるのもすごく楽しみです」と期待しつつ、「結構、口ゲンカをするシーンがあるんです。森川さんは、思い切りの良さがある方だと思っているので、そこは思いっきりケンカしたいなと思います(笑)」と意欲を示した。