ジープ初のBEV、「アベンジャー」が登場! そこにジープらしさはあるんか?

ジープは2024年9月26日、東京都内で新型バッテリー式電気自動車(BEV)のアベンジャーを発表した。

国内では約2年ぶりの新型車の投入だ。

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ボディサイズは全長4105mm✕全幅1775mm✕全高1595mm。ホイールベースは2560mmのコンパクトなSUVだ。

エクステリアの大きな特徴は、やはりジープ伝統の「7スロットグリル」だろう。このグリルはヘッドライトより前方に張り出すようにデザイン。万が一の衝突の際にライトへのダメージを受けにくくするためだという。ボディサイドは力強く盛り上がったフェンダーがたくましい。リヤのシグネチャーランプは、ジェリー缶からインスパイアされたX形状を取り入れている。これは同ブランドの「レネゲード」と同様の意匠で、遊び心も感じさせる。そのほかにも、エクステリア各所に「隠れジープ」の造形が施されており、それを探すのも楽しい。

インテリアは、機能性を考慮したデザインを意識したという。実際に多くの収納スペースや使いやすい小物入れなどがあり、ポケット類の容量は合計すると約26Lにもなる。

パワートレーンはフロントコンパートメントに最高出力156馬力/最大トルク27.5kgmを発揮するモーターを搭載し前輪を駆動。床下に積むリチウムイオンバッテリーの容量は54kWh。一充電航続距離はWLTCモードで486km(ローンチエディションは485km)。

前輪駆動のみとはいえ、ジープらしくオフロード性能にもこだわっている。最低地上高は200mm(最大渡河性能は230mm。ちなみに同ブランドのラングラーは760mm)、アプローチアングルとランプブレークオーバーアングルが20度、デパーチャーアングル32度を確保。さらに、「セレクテレインシステム」と「ヒルディセントコントロール」を装備。

セレクテレインシステムは、路面状況や航続距離に合わせて6つのドライブモードを用意。それぞれのモードとシチュエーションは以下のとおり。

・ノーマル:日常的なドライブ

・エコ:航続距離を伸ばす

・スポーツ:出力を高めて走りを楽しむ

・スノー:凍結路などで最大限のトラクションを発揮する

・マッド:ぬかるんだ路面でグリップ力を高める

・サンド:砂地でトラクションを最大化

ヒルディセントコントロールは急な下り坂を一定の速度で走行できるようにするもので、オフロードで急斜面を下るときに重宝する。

運転支援機能も充実しており、全車速式アダプティブクルーズコントロール、レーンポジションアシスト(車線維持支援)、レーンキーピングアシスト(車線逸脱警告&防止)、衝突被害軽減ブレーキ、ブラインドスポットモニターなどが搭載される。

価格はモノグレードで580万円。アベンジャー発売記念に導入される「ローンチエディション」は150台の限定車で、電動サンルーフ、18インチアルミホイール、ブラックペイントルーフ、イエローダッシュボードが装備され、1/43サイズのダイキャスト製ミニカーも付いてくる。総額33万円相当の装備が付いて価格は595万円とリーズナブルだ。

ちなみに、なぜ悪路走破性の高さも売りにしているSUVなのに4WDではなく2WDなのか質問したところ、価格の面と市場での使われ方(おもにシティユース)を考慮した結果だという。日本以外の国でも2WDのみしかない。

じつは本国ではマイルドハイブリッド版もあり、そちらでは4WDも選べる。日本導入は未定とのことだ。

ジープのSUVならエンジンモデルの4WDじゃなきゃイヤ!というのでなければ、コンパクトなボディサイズに力強いデザイン、使い勝手がいいインテリアと必要十分な居住性と荷室、いざとなればそれなりの走破力を有するこのモデル。日本でもウケる要素は十分にあると思うが、市場がどう評価するのか……?

反応が気になる一台である。