9月30日にスタートする連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の制作統括を務める宇佐川隆史氏にインタビュー。本作で描くギャルや、先日公開され大きな反響を呼んだ主演・橋本環奈のギャル姿について話を聞いた。
「今までとは違うものを目指したい」という思いも込めたギャル姿公開
連続テレビ小説(朝ドラ)第111作となる『おむすび』は、平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)がギャル文化と出会い、やがて栄養士として、“縁・人・未来”と大切なものを次々と結んでいく物語。結はどんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、激動の平成・令和を思いきり楽しく、時に悩みながらもパワフルに突き進む。脚本は根本ノンジ氏が手掛ける。
先日、結役を演じる橋本環奈のド派手な金髪ギャル姿が公開され、SNSでは「金髪ギャル姿も最高にかわいい」「環奈ちゃんは何をしてもかわいい」「めちゃくちゃかわいい」などと絶賛の声が続出。一方で、「ギャルってこんなだったか!?」「平成ギャルはこんなのではない」とツッコむ声もあった。
ビジュアルが公開されたときに説明があったが、このギャル姿は結がまだギャルになる前に、ひょんなことから知り合った“ギャル軍団”を助けるため、福岡・糸島のお祭りでギャルメイクをするという場面のもの。結が本当にギャルになってからの姿はまた別にあると、宇佐川氏は語る。
「あれは特別なシーンでのビジュアルで、仲間を助けるためにギャルメイクをするときのものです。本人がギャルマインドを持ったときに着るギャルの服装は、ちゃんと時代に即した、考証に即したものになっていますが、『今までとは違うものを目指していきたい』という宣言も含めて、特別な扮装をしたインパクトのある橋本さんの姿を最初に出しました」
ギャルの歴史を徹底リサーチ「しっかりとした考証に基づいたギャルが出てくる」
ギャルを描くにあたってギャルの歴史を徹底リサーチ。そして考証は“パラパラ界の神”と言われた元ギャルのRumi(ルミリンゴ)氏が担当している。
「ギャルにも時代とグラデーションがあって、もともとは93年以降のコギャル、安室奈美恵さんに憧れていたアムラー世代から、2000年に近づくにつれてガングロギャルも登場し、そして、浜崎あゆみさんが98年にデビューして、後に白ギャル、黒ギャルのビジュアルで日本中を驚かせる。そういう歴史を経た2004年は、コギャルがルーズソックスを履いていた時代とはまた違います。ギャルというものを平成だからと一色にするつもりはなく、時代に即したものをちゃんと描こうと思っています」
物語は平成のど真ん中、2004年からスタートするため、主人公・結のギャル姿は「浜崎あゆみさんの時代を経たギャルの姿で、それは祭りのときのギャルとは違います。オープニングに登場するギャル姿に注目していただけたら」と宇佐川氏は説明する。
そして、いわゆるギャルとして多くの人がイメージする90年代のコギャルは、結の姉で、地元・福岡で“伝説のギャル”として知られる米田歩役の仲里依紗に託しているそうで、「まさに安室奈美恵さんの世代です」と話した。
本編やオープニングに登場するギャル姿を見たら「しっくり来ている」と感じてもらえると言い、「しっかりとした考証に基づいたギャルが出てくるので楽しみにしてもらえたら」と予告した。
「現代でオリジナル作品を朝ドラでやるというのは簡単な話ではないんです。ギャルビジュアルは、私たちは前向きに全力で頑張りますという宣言でもあったので、積極的に楽しんでもらえたら非常にうれしいです。ツッコミも含めて楽しんでほしいなと思います」と語っていた。
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