キウイフルーツの生産・販売会社「ゼスプリ インターナショナル ジャパン」がファンミーティングを開催した。

代表的なフルーツとして日本で親しまれるようになったキウイの魅力が紹介された本イベント。キウイ博士による講義やキウイを使用したアレンジレシピの試食、キウイブラザーズとのフォトセッションなどの企画が実施された。

日本発のキウイブラザーズ、世界でも人気

ゼスプリの前身会社が日本で事業を開始して32年となる今年。イベント冒頭、ゼスプリのマーケティング部長・渋佐奈甫美氏は主催者挨拶で、キウイフルーツの歴史について振り返った。

キウイフルーツは1904年に原種の種が中国からニュージーランドへもたらされたとされ、1928年にグリーンキウイの開発に成功。1950年代に輸出が増え、米国での販売促進キャンペーンのため、ニュージーランドの国鳥にちなみキウイフルーツと名付けられたという。

  • ゼスプリ インターナショナル ジャパン マーケティング部長・渋佐奈甫美氏

輸出量が伸びるにつれて生産者間で価格競争などが進み、1980年代後半には生産者の利益を保つことを目的に、ゼスプリの前身となる「ニュージーランド・キウイフルーツ・マーケティング・ボード」が設立。日本での販売も開始された。

「日本では年々、果実の消費量が落ちてしまっている中、キウイフルーツは消費量を増やし市場を牽引することに成功しています。ゼスプリはここ10年で販売数にして約1.5倍の成長を遂げ、キウイブラザーズは日本発のキャラクターとして世界各国に展開されており、キウイブラザーズはブランドの顔として日本の果物業界の発展をリードしています」

  • ゼスプリ インターナショナル ジャパン マーケティング部長・渋佐奈甫美氏

ニュージーランドに本社を構えるゼスプリはキウイフルーツ生産者を株主とし、現在、高品質で栄養価の高いキウイフルーツを世界50カ国以上に輸出・販売している。また、健康的と思われがちな日本人の食生活だが、現代人の栄養状態や食生活には大きな課題があると言われており、厚生労働省の調査では日本人の3人に一人が栄養不良に陥っているという。

「弊社が実施した一般生活者1万人を対象にした調査では、栄養バランスの取れた食事をしたい人が9割以上でした。一方、忙しさや金銭面を理由に栄養バランスの取れた食事を毎日取れている人は約2割と大きなギャップがあります。ゼスプリは生活者の皆様と一緒に食事や栄養の課題に取り組み、その改善に貢献していきたいと思っています」

呼吸器や消化器の症状が改善した研究も

同社のPRマネージャー・栗田麻衣子氏は、日々の食生活や栄養バランスのサポートにピッタリのフルーツと紹介した。主要な17種類の栄養素が、1日あたりの摂取基準に対してどの程度含まれているのかを表す「栄養素充足率スコア」で、キウイフルーツは身近なフルーツの中で最も高いという。

「ゼスプリではニュージーランドをはじめ世界各国の研究機関と共同で栄養や健康価値に対する研究を積極的に行っています。最新の研究では呼吸器感染症を繰り返している成人の方を対象に、サンゴールドキウイを一日2個、6週間摂取していただいたところ個々の呼吸器症状の報告数の減少が確認できました。サンゴールドキウイが呼吸器症状の減少に役立つことが示唆されています」

  • ゼスプリ インターナショナル ジャパン PRマネージャー・栗田麻衣子氏

便秘症状や腹部の不快感といった消化器の症状に関する研究では、機能性便秘や便秘型IBS患者にグリーンキウイを1日2個、4週間摂取したところ消化器症状の指標が改善されたという。

「さらにゼスプリでは、フルーツや野菜と子供の精神的ウェルビーイングの関係を調査するパイロットテストをニュージーランドで実施しました。このテストを通して子どもたちの果物や野菜の摂取量が増加し、情緒的なウェルビーイングのスコアが改善したことが示されました」

  • 駒沢女子大学教授・西山一朗氏

キウイフルーツの健康価値については、駒沢女子大学教授・西山一朗氏による講演も行われた。同氏はキウイ愛が高じてYouTubeチャンネル「91チャンネル(Kiwi Channel)」などを開設し、広く情報を発信している。

「キウイの栄養として絶対に外せないものがビタミンCで、フルーツや野菜の中で多いだけではなく、市販食品の中でも最高レベルです。特にサンゴールド、ルビーレッドの2品種は並外れて多くのビタミンCが含まれています」

美肌のための最強フルーツ

キウイフルーツはビタミンEやカリウムも豊富なようだ。ビタミンEはビタミンCと同じように抗酸化作用があり、ビタミンCと協調して動脈硬化や心筋梗塞などを予防するという。

「カリウムは高血圧、動脈硬化、脳卒中の予防効果が期待できるほか、食物繊維による便秘の予防・改善効果も多くの論文で報告されています。葉酸はビタミンB群の一種で、動脈硬化や心筋梗塞の予防効果や、妊娠時の胎児の発育にも重要な栄養素です」

最後に西山氏は、日焼けを促進しシミやソバカスを増やす作用を持つ成分「ソラレン」について解説。次のようにメッセージを送った。

「グレープフルーツやライム、パセリなどに含まれるソラレンですが、困ったことに2015年頃からキウイにソラレンが多く含まれているという誤情報が拡散しました。実際に測ってみてもキウイにソラレンは含まれていません。ビタミンCたっぷりのキウイには高い美肌・美白効果があります。朝から安心してお召し上がりください」

その後は西山氏が考案したキウイに関するクイズコーナーや、ニュージーランドの食やライフスタイルが紹介されるトークショーといったプログラムも実施された。

蜂蜜と発酵茶を使った「キウイエイド」の乾杯で始まった本イベント。参加者には「サンゴールドキウイとモッツァレラチーズの生ハムバジル包み」や「キウイのブルスケッタ」、キウイソースをかけたローストビーフ、「ベーコンとプチトマトのキウイパスタ」など、キウイを使ったフルコースが供された。

デザートはスポーツ栄養学が専門の相模女子大学准教授・柳沢香絵氏監修の腸活パフェ。食物繊維を多く含むトッピングで自分流にアレンジして完成させるという、キウイとヨーグルトをベースにしたパフェで、参加者たちは最後までイベントを楽しんでいた。