北海道限定の「じゃがポックル」や「マルちゃん やきそば弁当」など、北海道しか販売していない食べ物は幾つかありますよね。また飲料では「ガラナ」「ソフトカツゲン」などもあります。

札幌のブロガー、しょーこ@札幌クリップ(@kotton105910)さんがこのソフトカツゲンに関す「ある感想」をSNSに投稿したところ、道民の読者を中心に注目を集めていました。

久々にカツゲンを買いました
私が小さいの頃は瓶で液体も今の色とは違っていましたよ(歳バレる?)
活力の源でカツゲン。
いつでも買えると思うとなかなか買いませんがやはり懐かしい味
(@kotton105910)より引用

  • 提供:しょーこ@札幌クリップ(@kotton105910)さん

この投稿には「もっと、茶色してたよね」「昔はもっと色濃かったよね」と賛同する声が寄せられていました。

また、「ソフトが付いてから色も甘みも濃さも文字通りソフトになりましたね」「びんのやつ懐かしいなあ」「瓶入りカツゲンは、正義です!」ソフトじゃないカツゲン懐かしい 昔、銭湯でよく飲んでました」「カツゲンアイスも美味しかったですね」など、当時を懐かしむ北海道民からもコメント。

さらには、「内地では大昔、小さなガラス瓶にヨーグルトと言われたどろっとした濃い乳飲料が入っていました。今思えばあれはカツゲンだったのかもしれません」と推察する読者も登場しているのです。

カツゲンは変わった?

界隈で注目を集めた「ソフトカツゲン」。本商品は1956年から発売され、道産子に飲み継がれているロングセラーの乳酸菌飲料だと製造する雪印メグミルク社はHPで説明しています。

しょーこさんに実際はどうなのか、お話を聞きました。

――北海道民のソウルフードとして愛されているそうですが、本当ですか。

しょーこさん:幼稚園の時には瓶のカツゲンを飲んでいた記憶がありますね。ガラナや焼きそば弁当と同様に、「ソウルフード」という認識は高いと思います。

――瓶の時は色が異なるというコメントが出ています。しょーこさんも同じ印象でしょうか。

しょーこさん :いまはカルピスみたいな白に近いですが、瓶の時代はヤクルトやマミーのような「薄茶と肌色の中間のような色」だったと、うろ覚えですが記憶しています。

記憶が曖昧とはいえ、かなり異なりそうですね。

ちなみに色のこと以外にも、「名称からの縁起担ぎで、受験が近くなるとパッケージに桜が付いたものになるほか、カツゲン神社なるものもあるみたい」というトリビアも紹介してくれました。

このカツゲン神社、調べてみると雪印メグミルクさんのリリースにも登場しており、

「勝源(カツゲン)神社は、北海道限定のロングセラー乳酸菌飲料『ソフトカツゲン』が受験生やスポーツ選手の間でひそかに縁起をかついで飲まれていることから、受験生やスポーツ選手の合格祈願、必勝祈願の守り神として、平成17年12月、カツゲン発売50年を記念して札幌工場の見学コース内に設置されました」

と紹介されていました。

  • 雪印メグミルクの平成28年3月31日配信リリースより

そして平成28年3月12日、勝源神社は「酪農と乳の歴史館」に移設、リニューアルオープンし、それまでは「工場見学をお申込みのお客様だけが参拝」できる形だったのを、「酪農と乳の歴史館」のPRルームに勝源神社を移設し、「参拝のみを目的に訪れるお客様にもお応えできるようにしました」となっています。

カツゲンからソフトカツゲンへ

筆者も気になる今回の疑問点。雪印メグミルクさんのHPで「ソフトカツゲン」の歴史が紹介されており、

1979(昭和54)年になると、市場も大きく変わり牛乳の流通はスーパーに、容器も瓶から紙パックが主流となり、『カツゲン』も紙パックを採用。
雪印メグミルクHP「カツゲン発売/沿革」より引用

と説明されています。これも踏まえ、同社に尋ねてみました。

――容器を瓶から紙パックに変えたタイミングなど、どこかで製品の色を変えたのでしょうか。もし変えているなら、その時期と理由をお教えください。

広報IR部ご担当さん :瓶入りの「カツゲン」から紙パック入りの「ソフトカツゲン」に変わったのは1979年(昭和54年)。その頃、スーパーでの牛乳販売が主流になり、瓶から紙パックへとシフトしつつあり、そのためカツゲンも紙パック化され、それに伴い中身も大幅にリニューアルすることになりました。

商品名を「ソフトカツゲン」に変更し、甘味や酸味を抑えてマイルドな味にして、清涼飲料水のようにごくごく飲めるように改良しました。それにより購買層も子どもからお年寄りの方まで幅がひろがりました。

やはり紙パックのリニューアルと同時に大きく変えたのですね。見た目の色が変化したのもこれが理由のようです。せっかくなのでカツゲン神社を参拝する人がどれだけいるのかも聞いてみました。

――参拝者は年間でどの程度いるのでしょうか。

広報IR部ご担当さん :「酪農と乳の歴史館」に来館されたお客様には見ていただける形になっているため、純粋な参拝者数は分かりかねる状況です。ご参考までに、「酪農と乳の歴史館」の来館者数は、コロナ禍前は年間1万7,000人、コロナ禍に一時休館し、昨年は8,000人となっています。

毎月650人を超える見学者が去年は訪問。札幌で観光する際の穴場スポットとして良いのかもしれません。いろんな意味でソフトカツゲンは注目です。