キリンビールは9月24日より、低アルコール飲料の『キリン 華よい 白桃スパークリング』『キリン 華よい 檸檬スパークリング』『キリン 華よい 葡萄スパークリング』を全国発売する。豊かな果実味とともに、ほどよいお酒感が楽しめるのが特徴。美味しさの秘訣について、関係者は「”隠し”果実浸漬酒にあります」と説明するが、一体どういうことだろうか?

  • キリンから、低アルコールRTDの新ブランド『キリン 華よい』が登場。RTD(Ready to Drink)とは、栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料のこと

■『キリン 華よい』で目指す新機軸

新ブランド『キリン 華よい』として9月24日から発売される3商品は、いずれも350ml缶。オープン価格で、実勢価格は167円前後を想定する。アルコール分は3%。

  • 新ブランド『キリン 華よい』

『キリン 華よい 白桃スパークリング』は、手摘み白桃果汁に、もも果実の味わいがしみ込んだ浸漬酒を効かせた。白桃の華やかな香りと爽やかな果実味が楽しめる。

  • 『キリン 華よい 白桃スパークリング』

『キリン 華よい 檸檬スパークリング』は、まる搾りレモン果汁に、レモン果実の味わいがしみ込んだ浸漬酒を効かせた。レモンのほろ苦さが効いた豊かな果汁感が特徴。

  • 『キリン 華よい 檸檬スパークリング』

『キリン 華よい 葡萄スパークリング』は、旬摘みぶどう果汁に、ぶどう果実の味わいがしみ込んだ浸漬酒を効かせた。ぶどうの豊潤で爽やかな果実味が楽しめる。

  • 『キリン 華よい 葡萄スパークリング』

キリンビール マーケティング部の松村孝弘氏は、商品の投入背景について「20代を中心とした、家であまりお酒を飲まないお客様は主に『翌日に影響が出てほしくない』という理由から飲酒を控えています。一方で、お酒と過ごす時間や楽しさには魅力を感じており、お酒を楽しみたいというニーズは確かに存在しています」と分析。そこで「現在の暮らしや価値観に影響を及ぼさない範囲の中で、お酒の飲める嬉しさをお客様に再認識していただけるような、そんなポジティブな価値提案をしていこうと考えました」と説明する。

  • キリンビール マーケティング部 RTDカテゴリー戦略担当カテゴリーマネージャーの松村孝弘氏(左)と、同 商品開発研究所 中味開発グループの増田春花氏(右)

ターゲットは、お酒は飲めるがあまり飲まない20~30代前半と、RTDユーザー層の30~40代に定めた。「ほどよいお酒感が楽しめる軽やかな美味しさで”ちょっとお酒を楽しみたいときの新たな選択肢”を目指します。販売目標は24年9~12月で約80万ケース(350ml×24本換算)を掲げています」と松村氏。

  • 2024年 RTDの取り組み方針。『キリン 上々 焼酎ソーダ クリア』『KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香』などと共に、『キリン 華よい』で消費者に新価値を提案していく

また、中味開発グループの増田春花氏は『キリン 華よい』の開発ポイントについて「凍結した果実をお酒の中で粉砕し、果汁やピューレと一緒に漬け込むことで、果実の香りやうまみを余すところなく閉じ込めた”果実浸漬酒”を隠し味として使用しているんです。果実浸漬酒を使用することで、味のまとまりが良くなりました。アルコール3%なのに、しっかりと果実味のある、お酒臭くないお酒感を実現できています」と解説する。

  • 開発のポイント。果汁+ウォッカ(スピリッツ)の関係を果実浸漬酒が取り持つことで、味のまとまりが良くなった

果実が持つ豊かな「甘味」「酸味」「香り」、また果皮などに含まれる「苦味」や「えぐみ」も美味しさのアクセントとして活用。さらには香味を軽やかな発泡感にのせることで、絶妙なバランスのスパークリングとして完成させた。増田氏は「試飲いただいたお客様からは、しっかり果実味が感じられる、お酒感がありながらも軽やかに飲める、といった評価いただいております」とアピールした。

  • お酒をあまり飲まない層と、RTDユーザー層から寄せられた『キリン 華よい』の評価

最後に質疑応答の時間がもうけられ、松村氏、増田氏がメディアから寄せられる質問に対応した。

アルコール分は3%より低い度数でも良かったのでは、という質問に松村氏は「お酒を楽しみたいというニーズ、適度な飲みごたえということを考えて3%にしました」と回答。またネーミングに込めた思いについて聞かれると「明るく華やかな酔い気分が想起されることを狙って『華よい』としました。華やぐ気分、質の良さ、といったイメージに合わせて、サワーではなく敢えて『スパークリング』としています」と説明した。