俳優の草なぎ剛が、今年12月6日から来年1月10日まで上演される舞台『ヴェニスの商人』で主演を務めることが28日、発表された。

草なぎ剛主演舞台『ヴェニスの商人』上演決定

時代を超えて愛され続ける数々の名作を世に残している演劇史の巨人、ウィリアム・シェイクスピア。中でも『ヴェニスの商人』は深い人物描写と痛快な展開で圧倒的な人気を誇る最高傑作のひとつだ。

演出を手掛けるのは、第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞に輝き、現代演劇界で最も実力のある演出家の一人である森新太郎氏。古典の常識を覆す新しいアプローチで、歴史ある名作を現代のエンターテインメントに生まれ変わらせる。

主演を務めるのは、シェイクスピア作品初挑戦となる草なぎ剛。稀代の悪役・シャイロックをどのように演じるのか。今回解禁されたビジュアルは、黒と赤のコントラストが印象的で、憂色をおびた顔の草なぎがシャイロックの怒りや悲しみを表現している。

舞台『ヴェニスの商人』の東京公演は日本青年館ホールにて12月6日~22日、京都公演は京都劇場にて12月26日~29日に、愛知公演は御園座にて2025年1月6日~10日に上演。

■草なぎ剛コメント

今回、初めてシェイクスピアの作品に出演させていただきます。
『シャイロック』は今まで舞台で演じたことのないような役なので、すごく緊張しています。
でも、演出の森新太郎さんをはじめ、共演者も初めての方が多いので、気負わず、新鮮な気持ちで、この作品、この役に挑みたいと思っています。
そして、僕自身も思いっきり、楽しみたいと思います!

■森新太郎コメント

シェイクスピアがこの作品を発表した当時、ロンドンの観客にとってヴェニスはまさに憧れの地でした。海洋貿易によって経済的繁栄の絶頂にあった、活気あふれる、美しき水の都。ロマンティックな恋愛喜劇が繰り広げられるのに、これほどふさわしい場所はありませんでした。しかし、物語は実にメランコリックな台詞から始まります。「まったく、どうしてこう気が滅入るのかな……。」この息苦しさの正体は何なのか、美しき水の都にはどんな“腐臭”が漂っているのか、演出家としてまずはそこを掘り下げていけたらと思っています。今の時代に重なる『ヴェニスの商人』になれば良いのですが。この一大事業に、力のある俳優陣が揃いました。特に草なぎさんがシャイロックを演じられるのは、私にとっても事件でしかありません。シェイクスピア劇の新たな地平へ一歩踏み込めるのではないかと、心臓がバンバン高鳴っております。

【編集部MEMO】
草なぎ剛は1974年7月9日生まれ。1991年CDデビュー。2017年には「新しい地図」を立ち上げ、『ワルイコあつまれ』(NHK)、『草なぎやすともの うさぎとかめ』(読売テレビ)などに出演中。舞台では『アルトゥロ・ウイの興隆』(20、21~22年に再演)、『シラの恋文』(23~24)などに出演。ドラマでは、『罠の戦争』(23)、『ブギウギ』(23~24)、映画では『台風家族』(19)、第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に輝いた『ミッドナイトスワン』(20)、『サバカン SABAKAN』(22)、『碁盤斬り』(24)などがある。