イタリアの美しい帆船「アメリゴ・ヴェスプッチ号」は、同国の歴史・文化の発信と日本との交流を目的に、8月25日に東京国際クルーズターミナルに初入港。それに伴い、イタリアの歴史や文化を無料で体験できる「ヴィラッジョ・イタリア」を8月26日~30日まで開催している。
今回は、初日のオープニングセレモニーの様子とともに各コンテンツを紹介していこう。
アメリゴ・ヴェスプッチ号が東京に初入港!
「アメリゴ・ヴェスプッチ号」は、1931年2月22日に完成したイタリア海軍の練習帆船。その優美な船体は、"世界で最も美しい帆船"の一つとして知られており、新大陸"アメリカ"を発見したとされるイタリア・フィレンツェ出身の探検家アメリゴ・ヴェスプッチの名に由来すると言われている。
同船は、2023年7月よりイタリアのジェノバを出発し、31カ国を寄港するワールドツアーを開始。これまでにアメリカ(ロサンゼルス)など16カ国寄港し、日本は17カ国目の寄港先となる。
イベント初日である26日に、東京国際クルーズターミナルで開催されたオープニングセレモニーでは、グイード・クロセット伊国防大臣や三宅伸吾防衛大臣政務官のスピーチをはじめ、イタリア海軍兵による下船セレモニーや生演奏などが披露された。
アメリゴ・ヴェスプッチ号の船長は「(この船は)士官候補生(将来の幹部)のトレーニングのための船であると同時に、"洋上の大使館"として外交の役割も持っています。イタリアの持つさまざまな魅力をプロモーションするためにやってきました」と話す。
また、本イベントを開催したDifesa Servizi SpA CEOのルカ・アンドレオル氏によれば、ヴィラッジョ・イタリアを開催するのは寄港する31カ国うちの8カ国のみ。同氏は「どこで開催をするか――。それは私たちと友好関係の深い国を選びました。東京での開催は、日本とイタリアの友好関係の深さを示すための絶好の機会だと考えています」と述べた。
続けて「船内やヴィラッジョ・イタリアでは、イタリアの文化・アート・食・観光・テクノロジーなどすべてお見せできるようになっています」と、イベントの魅力を明かす。また、初日時点で本イベントの予約数は2万人に達したと話し、その注目度の高さをうかがわせた。
イタリアを体験できるイベントも開催!
そんなヴィラッジョ・イタリアでは、さまざまなコンテンツを通してイタリアの歴史や文化を体験できる。
貴重な乗船体験!
イベント期間中、毎日開催されるという乗船体験へ筆者も参加!
当日は残念ながら台風接近の影響で帆は張られていなかったが、マストや骨組みだけでもその美しさは十分に感じられる! それでは気になる船内へ潜入していこう。
全長101m、海抜54mの高さを誇るアメリゴ・ヴェスプッチ号を案内してくれたのは3年半この船に乗船しているという女性クルーのアウローラさん。男性がほとんどかと思いきや、乗務員約400名のうち約65名の女性がいるのだとか。
真っ白な制服に身を包んだ彼女についていくと、巨大な船のハンドルである舵輪をはじめ、時刻や危険を知らせる鐘、士官候補生たちが航路を考えるためのスペースなど、普段は目にすることのできない場所を見学させてもらった。
ちなみに、アウローラさんいわく船のマストやロープは天然素材でできているため、メンテナンスには非常に気を使っているという。リノベーションや入念な管理によって93年という歴史を紡いできた同船は、優美でありながらどこか寛大な雰囲気が漂う船だった。
イタリアの音楽やアートなどエンターテイメントを楽しめる!
乗船体験以外にもイタリア海軍バンドによる生演奏をはじめ、ヴェネツィア国際映画祭によりキュレーションされたイタリアの映画作品の上映、現代イタリア美術を代表するイタリア出身のアーティスト・ジャゴによるブロンズ作品「ラ・ダビデ」の展示など、エンターテイメントコンテンツも盛りだくさん。
また、帽子やTシャツなどアメリゴ・ヴェスプッチ号オリジナルグッズも販売されているので、記念にゲットしてみるのもアリだろう。
絶品イタリア料理も提供
「リストランテ・イタリア」では、日本でも有名なイタリア人シェフ、エリオ・オルサーラシェフによる監修メニューを提供する。
そのほか、ライブクッキング・ショーや、イタリアワインを堪能できるティスティングマスタークラス、イタリアンジェラートショップなど、本場イタリアの食文化を楽しめるコンテンツがめじろ押し。
期間限定の貴重な体験を、ぜひあなたも味わってみてはいかがだろう。
■Information
ヴィラッジョ・イタリア
【開催期間】8月26日~8月30日
【開催時間】27~29日は10時~21時/30日は10時~16時
【会場】東京国際クルーズターミナル(東京都江東区青海2丁目地先)
【入場料】無料(一部コンテンツは有料)
※各コンテンツの開催日程・参加方法は専用サイトにて確認を