国土交通省は、都市鉄道の混雑率調査結果(2023年度実績)を8月2日に公表した。福岡地区では、前年度に続いて西鉄貝塚線の混雑率が150%台に。福岡市地下鉄も空港線・箱崎線、七隈線ともに130%台で比較的高い混雑率となった。

  • 西鉄貝塚線の列車は2両編成で運行される

西鉄貝塚線は貝塚~西鉄新宮間を結ぶ路線。貝塚駅で福岡市地下鉄箱崎線と接続しており、中洲川端・天神方面へ乗り換えられる。福岡市中心部への通勤通学輸送を担う路線のひとつだが、列車はすべて2両編成で運行されることもあり、福岡地区において混雑率の高い路線だった。

コロナ禍前の2019年度、貝塚線は最混雑区間の名島駅から貝塚駅まで混雑率158%。コロナ禍の影響を受けた2020年度は混雑率129%だったが、2021年度は混雑率140%、2022年度は混雑率154%となり、2年連続で全国ワースト2位に。2023年度の混雑率は名島駅から貝塚駅まで158%とされ、コロナ禍前と同じ水準に戻った。順位としては日暮里・舎人ライナー(混雑率171%)、広島電鉄(混雑率164%)、東京メトロ日比谷線(混雑率162%)、JR埼京線(混雑率160%)に次ぐ5位タイとなっている。

一方、西鉄天神大牟田線も前年度より輸送人員が増加し、2023年度は最混雑区間の西鉄平尾駅から薬院駅まで混雑率137%に。福岡市地下鉄空港線・箱崎線は2023年度、最混雑区間の大濠公園駅から赤坂駅まで混雑率132%だった。

  • 福岡市地下鉄七隈線は延伸開業(博多~天神南間)の効果もあり、前年度より利用者が増加

福岡市地下鉄七隈線は、2023年3月に博多~天神南間が延伸開業。その後、利用者増加の影響もあり、ダイヤ改正で平日朝夕を中心に増便している。七隈線の混雑率を見ると、2022年度の最混雑区間は桜坂駅から薬院大通駅までとされ、輸送力5,730人(4両×15本)に対し、輸送人員6,493人で混雑率113%だった。

2023年度、最混雑区間が薬院大通駅から薬院駅までに変更され、輸送力も6,112人(4両×16本)に増強。輸送人員は前年度より1,500人近く増えて7,934人、混雑率は130%だった。この数値はコロナ禍前の2019年度(桜坂駅から薬院大通駅まで混雑率127%)も上回っており、延伸開業で七隈線の利用状況が変化したことを感じさせる結果となっている。