国土交通省は2日、都市鉄道の混雑率調査結果(2023年度実績)を公表した。都市部の路線における最混雑区間の混雑率も公開しており、広島電鉄(2号線)の混雑率が164%に。全国で2番目に混雑率の高い路線となった。

  • 広島電鉄の最混雑区間(宮島線の東高須駅から広電西広島駅まで)における2023年度の混雑率が全国ワースト2位に

広島電鉄の2号線は広島駅~広電宮島口間で運行。同社唯一の鉄道線である宮島線(広電西広島~広電宮島口間)を走行する。国土交通省の調査結果を見ると、広島電鉄の最混雑区間は宮島線の東高須駅から広電西広島駅までとされており、コロナ禍前の2019年度は7時30分から8時30分までの混雑率85%、コロナ禍の影響を受けた2020~2021年度も同時間帯の混雑率は90%前後だった。

2022年度の調査で、時間帯を7時から7時59分までに変更。2021年度の輸送力は2,550人(3両×17本)だったが、2022年度の輸送力は2,250人(3両×15本)に減少している。一方、輸送人員は2021年度の2,218人から、2022年度は3,147人に増加。こうした要因もあり、広島電鉄の最混雑区間における2022年度の混雑率は140%に上昇していた。

2023年度の調査も、前年度と同じく7時から7時59分までの時間帯で行われた。輸送力は2,550人(3両×17本)で前年度より300人増えたが、輸送人員は4,194人で前年度より1,000人以上増加。結果として、広島電鉄の最混雑区間における2023年度の混雑率は164%に。3大都市圏の主要路線も上回り、混雑率ワーストの日暮里・舎人ライナー(混雑率171%)に次いで混雑率の高い路線となった。

  • 2021年度に混雑率132%だった可部線。2023年度は混雑率118%に

なお、広島方面の他路線における2023年度の混雑率を見ると、山陽本線は西条駅から広島駅まで混雑率93%、岩国駅から広島駅まで混雑率91%、呉線は広駅から広島駅まで混雑率90%、芸備線は志和口駅から広島駅まで混雑率76%、可部線は可部駅から広島駅まで混雑率118%、広島市高速交通(アストラムライン)は牛田駅から白島駅まで混雑率120%とのこと。可部線は全国的に見ても高い混雑率(132%)だった2021年度と比べて改善されたものの、広島方面の中では依然として混雑率の高い路線のひとつとなっている。