マツダ、CX-30を一部改良で機能向上と機種体系を見直し。その内訳は?

マツダは2024年7月18日、クロスオーバーSUV、CX-30の商品改良を実施した。価格は275万9900〜368万5000円。

【画像】グレード名もシンプルになったCX-30

今回の改良では、ユーザーが選択しやすいようにグレード体系を刷新。よりいっそう安全・安心・快適に運転を楽しめるよう、全グレードでコネクティッドサービスの提供機能を拡充し、室内の安全装備を強化した。

グレード体系に関しては2023年9月の改良時に、火花点火制御圧縮着火(SPCCI)エンジン+モーターのeスカイアクティブ Xおよび6速MTを廃止してシンプルになっていたが、今回はさらに整理。

前回から設定された特別仕様車「レトロスポーツエディション」を継続設定しながら、既存グレードの名称を刷新し、2Lマイルドハイブリッドモデルと1.8Lディーゼルターボモデルにそれぞれ3グレード、計6グレードとなり、FFと4WDを設定する。

[バリエーションと価格]*は特別仕様車

〈1.8Lディーゼルターボ・6速AT〉

XD レトロスポーツエディション*:FF…344万8500円、4WD…368万5000円

XD ツーリング:FF…329万4500円、4WD…353万1000円

XD Sパッケージ:FF…303万4900円、4WD…327万1400円

〈2Lガソリン+モーター・6速AT〉

20S レトロスポーツエディション*:FF…317万3500円、4WD…341万円

20S ツーリング:FF…301万9500円、4WD…325万6000円

20S Sパッケージ:FF…275万9900円、4WD…299万6400円

改良後のグレード体系について、マツダの説明によると、

・レトロスポーツエディション=レトロモダンの世界観をテーマにスポーティさを融合した特別仕様車

・ツーリング=シートヒーターなどの快適装備を充実させた上質グレード

・Sパッケージ=充実した安全装備が備わったベースグレード

となっていて、CX-60など他機種にも採用するシンプルなグレード名に改めた。ちなみにSパッケージの“S”はセーフティを表すそうだ。

従来グレードとの関係性は!?

前回改良後の販売構成比(2023年10月〜2024年5月)をマツダに確認したところ、以下のような回答を得た。

■2Lガソリンマイルドハイブリッド

・20S レトロスポーツエディション…22.8%

・20S プロアクティブツーリングセレクション…22.7%

・20S ブラックトーンエディション…12.3%

・20S プロアクティブ…6.4%

・20S…4.6%

 

■1.8Lディーゼルターボ

・XD レトロスポーツエディション…12.4%

・XD プロアクティブツーリングセレクション…12.0%

・XD ブラックトーンエディション…5.4%

・XD プロアクティブ…1.3%

上記のとおり、どちらのエンジンタイプでも特別仕様車レトロスポーツエディションとプロアクティブツーリングセレクションを選択するユーザーが多く、この2つのグレードのガソリンモデルが全体の半数近くを占めている。このことから、レトロスポーツエディションは継続設定した上で、プロアクティブツーリングセレクション相当のツーリングを設定。ベーシックグレードとしてプロアクティブ相当のSパッケージを加えた3グレード体系に集約したようだ。

グレード名変更で何が変わった!?

グレード体系の刷新に伴い、継続設定される特別仕様車レトロスポーツエディションのベースグレードが従来のブラックトーンエディションからツーリングに変更となっている。

その他のグレードは、前述のとおりツーリングが従来のプロアクティブツーリングセレクション相当で、装備面にほぼ違いはない。

Sパッケージは従来のプロアクティブ相当の装備内容となるが、アダプティブLEDヘッドライトやヘッドライトユニット内シグネチャーLEDランプ、リヤコンビランプユニット内シグネチャーLEDランプ、デイタイムランニングライトは装備されず、LEDヘッドライト(ハイ/ロービーム)にハイビームコントロールシステムが備わる。また、シフトスイッチも非装備となる。

そして今回、ブラックトーンエディションがラインアップから外れたのに伴い、Sパッケージにホイールとドアミラーカバーを黒色に変更できるメーカーオプション「ブラックアピアランスパッケージ」(5万5000円高)を新たに設定。ブラック加飾を付加して外観に引き締まった印象を与えることも可能だ。ちなみにレトロスポーツエディションは同装備が装着済みだ。

このほか、コネクティッドサービス(店頭での契約手続きが必要)の提供機能拡充については、エアコンやシートヒーター、ステアリングヒーターのコントロール、電話の受発信、ナビゲーションの目的地設定を音声操作できる「Amazon Alexa(アマゾン アレクサ)」を新たに採用したほか、ネットワークを通じて施設情報や周辺駐車場の空き状況などの最新情報を参照できる「マツダオンラインナビ」を採用した(ディーラーオプションの「マツダオンラインナビ用SDカード」の購入で利用可能となる)。

車内安全装備の強化については、後席の乗員取り残しや、荷物の置き忘れ防止のために、ドライバーへ注意喚起する「リアシートアラート」をマツダの国内販売車両として初採用した。

主要装備表を確認すると、ほかにもスーパーUVカットガラスがレトロスポーツエディションとツーリングのフロントドアに新採用(Sパッケージはセットオプション)となっている。

なお、ボディカラーについては、従来と変わりなく、設定色はすべてのグレードで選択可能だ。

装備拡充分の価格上昇!?

さて、車両価格について、機種体系の刷新で単純な比較はできないが、相当する従来のグレードと比較したかぎりでは、レトロスポーツエディション、ツーリングが6600円の価格上昇、Sパッケージは1万6500円安でLEDライティング関連とシフトスイッチが省かれた分が按分されている。

前回は原材料価格や物流費などの高騰に伴う価格改定を実施しているが、今回の商品改良については、装備の機能向上分が価格に転嫁されたと捉えてもよさそうだ。

〈文=ドライバーWeb編集部〉