• 多部未華子

また、自立して生きていきたいという思いが30代になって芽生えたと語る。

「私は本当に甘えて生きてきて、困ったことがあっても『お願い!』と言えば誰かがやってくれるという環境にいて、それも1つの生きる術だと思いますが、自分で地に足をつけることも大事だと30代で知りました。35歳にして何も知らない自分に焦りを感じたのだと思います。30代は人生においての学びの10年間だと思っているので、10年スパンでいろんなことを学んでいけたら」

具体的にどんなことを学びたいのか尋ねると、「社会の仕組み」全般だと回答。

「生きるために必要な国のルールみたいなことを何も知らずに生きてきてしまって。今も人に任せていることもありますが、理解した上で人に任せるのと、理解せずに人に任せるのは違うなと、身に染みて感じています。いろいろなことを学んでいくと自分の愚かさにどんどん気づいていき、知らない自分がいけなかったんだということが日々起こっています」

そして、「今は本当に学びの日々です」と続け、今年学んだことを尋ねると、「いっぱいあります。パソコンも苦手で、Excelの使い方やファイルの見方や、サーバーがどうとか、いろんなことを学んでいる最中です」と語った。

  • 多部未華子

今の目標は「地に足をつける」こと。「これまで全部人任せだったので、責任感を持ってやっていけたら。でもベースは楽しんで、自分がやりたいと思ったことをやりたいと言えるような人生にしていきたい」と抱負を述べる。

役者としても「やりたいと思ったことを声に出してやりたいと言えるようにしたい」と、自身の好奇心を大切に。また、観客や視聴者の声もやりがいにつながっているようで、「『楽しかったです』と言ってくださると単純にうれしい気持ちになるので、観てくださる方から感想がもらえる作品に携わっていきたいです」と語った。

『インサイド・ヘッド2』も「ぜひやりたい」と思った仕事であり、日本に先駆け全米はじめ世界各国で公開されると、これまで1位だった『アナと雪の女王2』を超えてアニメーション映画史上世界No.1の世界興行収入を記録し、大きな反響を呼ぶ作品となっている。

多部は「携われて幸せです」としみじみ。「この作品が伝えたいことは、全人類に届けられるメッセージだと思います。どの感情の自分も自分で、自分らしくいても悪いことではないと思わせてくれる。心配しすぎていても、悲しんでいても、全部の感情が必要で、全部自分の成長につながると思わせてくれる作品だと思います」と作品の魅力を熱く語り、「そんな作品に参加できて本当によかったです」と語っていた。

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■多部未華子
1989年1月25日、東京都生まれ。2002年に女優デビュー。2005年公開の映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』でブルーリボン賞新人賞を受賞。2009年にはNHK連続テレビ小説『つばさ』のヒロインを務め、2010年には『農業少女』で読売演劇大賞女優賞・杉村春子賞、エランドール賞新人賞などを受賞。近年の主な出演作に、ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(20)、『マイファミリー』(22)、『いちばんすきな花』(23)、映画『空に住む』(20)、『流浪の月』(22)、NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』(23)などがある。