• 片岡凜

――演じられている森口美佐江は、伊藤沙莉さん扮する主人公・寅子に問題を突きつける女子高生とのことですが、どのように役を捉えていますか?

美佐江は裕福な家庭で育ち、とても優秀で、お嬢様のような役ですが、裏側では世間と自分の間に溝を感じていて、常識的に考えるとこうだということに対して、何でそうなのかわからないという子です。例えば「なぜ人を殺しちゃいけないのか」「なぜ悪い人から物を盗むことがいけないのか」といった疑問を抱いていて、のちに寅子さんが関わる事件に関係してくる役です。

――いろんなことに疑問を抱く人なんですね。

他人の前でどう振る舞うべきかはわかっていて器用にできる子ですが、社会や世間に対して腑に落ちないことがあって、そこの溝を寅子さんが埋めようとしてくれますが、なかなかその言葉が通じないんです。人間的な感じがしなくて、こういう役もあるんだなと新鮮でした。

――寅子も「はて?」とよく疑問を抱く人ですが、寅子の考えとも違うんですね。

寅子さんとは疑問の抱くところが違います。寅子さんは「はて?」と疑問を抱く側でしたが、美佐江が寅子さんに疑問をぶつけるシーンもあって、疑問を抱く側から疑問をぶつけられる側になるという寅子さんの変化も感じました。

――美佐江を演じる際にこだわったことがありましたら教えてください。

最初はお嬢様な美佐江でいなければいけないという意識で、大人びた表情やあざとい子供っぽさが出るシーンが多いですが、最後のほうはそういったものが取っ払われて、美佐江の素の表情が出てくるので、そこの表情の変化に注目していただきたいです。

――『虎に翼』の視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

美佐江はぱっと見は普通ですが、だんだん化けの皮がはがれていくので、サイコぶりを見ていただけたら(笑)。そもそも法律って何なのかというのを考えるのにすごく重要な役なので、見てくださっている方にもそういうことを考えていただけたらと思います。

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■片岡凜
2003年10月6日生まれ、群馬県出身。2021年4月に開設したTikTokとInstagramが注目を浴び、同年末に芸能事務所・フラームに所属。2022年2月にシンガーソングライター・優里のミュージックビデオで女優デビューし、雑誌のグラビアなどにも出演。2022年に『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS)でドラマデビュー。その後、『ボーイフレンド降臨』(22/テレビ朝日)、『リエゾン-こどものこころ診療所-』(23/テレビ朝日)、『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(23/TBS)、『柚木さんちの四兄弟。』(24/NHK)などに出演。