高畑充希と岡田将生がW主演を務めるドラマ『1122 いいふうふ』が、Prime Videoで世界独占配信中。今作で初共演となる高畑と岡田は、結婚7年目でセックスレスになり、夫婦仲を円満に保つために「婚外恋愛許可制」を選択した夫・相原二也(岡田)、妻・相原一子(高畑)を演じている。

脚本を読み、「演じたい」と感じたという2人。今回のインタビューでは、作品の魅力やアプローチについてのほか、共通の知人が多いながらも、これまで会ったことがなかった互いの印象を語り合った。

  • 左から高畑充希、岡田将生 撮影:宮田浩史

初共演で夫婦を演じた互いの印象

――今回お二人は初共演となりましたが、共演前の互いの印象をお聞かせください。

高畑:実は共通の知り合いが多いんですが、これまでお会いしたことはなかったんです。印象はおじさま方にすごく愛されている人(笑)。みなさん「かわいいいやつだよ」みたいな感じだったので、私も仲良くなれたらいいなと思っていました。

あと、岡田くんをよく知るスタッフさんが、私も昔お世話になっていた方なんです。その繋がりもあって話を聞くことが多くて、「いい方なんだろうな」という印象でした。

岡田:高畑さんは多種多様なジャンル問わずいろんな作品にチャレンジをしている方という印象があって、いつか共演してみたいなと思っていました。そうしたら、今回まさかの夫婦役で2人のシーンばかりだったので、いい関係性になれたらなと思っていました。高畑さんも話されていたようにお互い知っている方がいて、僕もすごくいい方だというお話を聞いていたので、安心して現場に入れました。

――共通のお知り合いからお話しを聞いている分、初対面だからと構えることもなかったですか?

高畑:でも最初は緊張しました。撮影に入る直前に共通の知り合いを含めて会ったんですが、結構人見知りしちゃってほぼ会話してないですね……(笑)

岡田:そうですね……(笑)

――お二人とも人見知りするタイプなんですね!

高畑:そうですね! 私の方がちょっとマシ……?

岡田:僕は本当に極度の人見知り……(笑)。プライベートはあまり人に会いたくないと思っているくらいの人見知りですね。

演技へのアプローチの違い「たどり着きたい到達点は同じ」

――撮影を通して無事に仲良くなられてよかったです。今回共演してみて、お互いに印象の変化や意外な一面などはありますか?

岡田:僕は「このシーンどうしようかな? こうやってやろうかな?」と考えるタイプなんですけど、高畑さんはその日のその空気を察して、さらにそこに一子の感情を乗せてお芝居をされる。だからすごくリアルで本当にこの部屋に住んでいる人に見えるんです。でも、それは体も脳もフル回転で現場にいらっしゃるからだと思いますし、それを二也として受け止めることができたのはすごく楽しかったです。日々「すごいなぁ」と思って一緒にお芝居をさせてもらいました。

高畑:褒められて嬉しいです……(笑)。私は感情だったり、その場の空気だったりに左右されるタイプなのですが、逆に岡田くんはちゃんとプランニングして、いろんなことを考えて準備して現場に持ってくる。もちろん私も準備はしていくんですけど、準備の仕方も違えば、芝居の仕方も違って、たどり着きたい到達点はお互い同じなんですが、経路が全然違っていて、それが私はすごくおもしろかったです。あと、岡田くんがすごいなと思ったのはセリフの正確さ。語尾まで一言一句がいつも完璧なんです。私はその辺がものすごく苦手なんです……なので電話のシーンとかは、私のセリフがざっくりしているのがバレるからやりたくない!(笑)

岡田:そう! 電話のシーンは、僕は基本的にスクリプトを見ながらやっているんですけど、「結構違うなぁ……あれ? この文章飛ばしたなぁ」と思うことも。それでも今泉監督がOKを出すので、「OKなんだ!?」と(笑) でも、それは悪いことではなくて、そのセリフがなくても成立しているということなので、監督の判断も、監督と高畑さんの関係性もすごくいいなと感じていました。

――お芝居のアプローチの仕方が違うお二人が一子・二也夫婦を演じることは、作品にも良い影響がありそうですよね。

岡田:少なからずあると思います!

高畑:どんな作品に出ていても皆さん全然やり方が違うし、その現場によっても違うと思います。自分と違うアプローチをする方と組むほうがより広がる気がしていて、足りないものを補い合う感覚。今作だと、(岡田くんとの)2人芝居が多かったですが、監督も含めて3人でお互いが足りないものを補い合って、相談し合って作ったという印象が強いです。

そして、それをものすごく温かい目で、絶対撮り逃さないように見つめてくれるスタッフ陣がいて、ものすごく安心感がありました。センシティブなシーンや感情面で白黒つかないような難しいシーンも多かったのですが、心を預けてお芝居ができていました。

互いに「意味がある」と感じたテーマ

――今作はセックスレスや婚外恋愛許可制などをテーマにした作品ですが、脚本を読んだときにはどのような印象でしたか?

高畑:きれい事で収まってないところが多すぎて、いろんな世代の方がとても共感できるだろうなと思いました。結婚をしていても、してなくても、実はみんな相談したくても、できないこともあると思います。私自身は自分のことを相談できる人ですが、それが得意じゃない人も没入できる題材ですし、今、やる意味があるなと。自分自身も年齢的に結婚観など日々目まぐるしく変わってますけど、とても影響を受けた内容でした。

岡田:今の時代に合っていて、配信という形でこのテーマをやれるということはすごく意味があることだと思いました。でも、それが重たく描かれていたら嫌だなと思ってたんですけど、たまにクスッと笑えるシーンがあって、一子と二也の関係性や会話劇も含めてバランスがいいと思ったんです。みんなで話し合うことができて、考えられるテーマと脚本が素晴らしくて、よりたくさんの人に観てもらいたい! と思いました。

――テーマだけみると重たいのかと思いますが、一子と二也の会話や一子のモノローグなど笑ってしまうような軽いタッチで描かれているシーンもたくさんありますよね。

高畑:言葉選びが絶妙なんですよね(笑)。一子と友人たちの女子会のワードセンスとかも、「何? 見てたの!?」みたいな(笑)。原作からそのまま持ってきた部分もあれば、台本になるにあたって、ブラッシュアップされているものもあって、おもしろい言葉がたくさんありました。

■高畑充希
1991年12月14日生まれ。大阪府出身。近年の出演作に、映画『浜の朝日の嘘つきどもと』(21)、『怪物』(23)、『ゴールデンカムイ』(24)、『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ)、『unknown』(テレビ朝日)、舞台『宝飾時計』など。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』にも出演中。

■岡田将生
1989年8月15日生まれ。東京都出身。近年の出演作に、映画『1秒先の彼』、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(23)、『ゴールド・ボーイ』(24)など。8月23日には映画『ラストマイル』、11月には『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』の公開も控えている。また、現在放送中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』にも出演中。