マイナビは7月17日、「高校生アルバイト調査(2024年)」の結果をもとに、SNSでのアルバイト探しについて注意を呼び掛けた。夏休みにアルバイトをする高校生が違法性のある労働に陥らないために必要な意識・行動について考察したもの。調査は2月15日〜19日、15~18歳高校生の就業者651人、非就業者218人を対象にインターネットで行われた。

高校生の約8割が"長期休み"中にアルバイトを検討

これまでアルバイトをしたことがない高校生のうち、長期休み中にアルバイトをしたい割合は79.2%で、学期中(63.3%)を大きく上回った。また、現在アルバイトをしていない理由は「学校生活(学業・部活など)との両立が難しい(34.6%)」が「学校で禁止されている(56.3%)」に次いで上位となった。

  • 現在アルバイトをしていない高校生の就業意向

  • 高校生がアルバイトをしていない理由

夏休みなどの長期休みは学期中より自由に使える時間が多く、時間に余裕が生まれることから、高校生のアルバイトが増えるタイミングであると考えられる。

高校生がどのようにアルバイトを探しているのかをみると、現在アルバイトをしている高校生のうちSNSでアルバイトを探したことがある割合は46.6%、実際に応募した経験がある割合は36.7%で、3人に1人以上がSNSでアルバイトに応募したことがあることがわかった。これらは大学生よりも10pt以上高く、日本の高校生の9割以上がSNSを利用している中で、SNSでのアルバイト探しも身近である様子がうかがえる。このことから、高校生のアルバイト就業意向が高まる長期休みには、SNSを利用してアルバイト探しを行う高校生が増えることが考えられる。

  • 学生のSNSでのアルバイト探し・応募・就労経験

アルバイト先の決め手は「応募後の迅速な連絡」が最多

現在アルバイトをしている高校生にアルバイト先を決めた要因を聞くと、「応募後にすぐに企業から連絡がきた(40.4%)」が最も多かった。SNSでのアルバイト探しは、応募の手軽さや働き始めるまでの期間が短いことなど、効率性の観点においては学業や部活動で忙しい学生にとってメリットがあると考えられる。一方で、SNSは第三者のチェックが入らず誰でも簡単に情報を掲示できることから、トラブルに巻き込まれる危険性も。限られた時間で応募・就業をせず、応募や就労前にしっかりと企業や仕事の情報について確認することが重要といえる。

  • 高校生のアルバイト先を決めた要因

実際にトラブルにあった高校生も8.6%

現在アルバイトをしている高校生で、SNSで怪しい求人を見かけたことがある割合は41.3%で、実際にトラブルにあった割合は8.6%だった。

  • SNSでの怪しい求人の勧誘やトラブルにあった経験

また、SNSで直接アルバイトの交渉をすると違法な労働に巻き込まれる危険性があることを知っている割合は、前年から5.2pt増加したものの、50.0%と半数にとどまった。アルバイトをしている高校生のうち、5人に1人が親の関与なくアルバイト先を決めている現状もあるため、大人や社会が高校生をどう見守っていくかが重要となる。また、教育機関等は、高校生がSNSの正しい活用方法について改めて学び、自分の身を守る術を提供する必要があると同社は指摘している。

  • SNSで直接アルバイトの交渉をすると、第三者のチェックが働かず、違法な労働に巻き込まる危険性があることを知っているか

これらの調査により、現在アルバイトをしている高校生の半数近くがアルバイト探しでSNSの活用経験があることがわかった。また、実際にSNS経由で怪しいアルバイトの勧誘を受けたり、トラブルに巻き込まれている高校生もいる中で、その危険性を認知している割合は5割にとどまっている。闇バイトが社会的に問題になっている中で高校生にも危険が迫っている様子がみられる調査結果となった。

調査では「学業との両立の難しさから、応募の手軽さ・時給が高いことに惑わされて、安易に闇バイトに手を出さないように気を付け、長期休みを充実させてもらえたらと思います。また、高校生の自由は尊重しつつ、今後一層大人や教育機関がSNSの正しい知識を啓蒙していくことに加えて、社会経験が少ない高校生がトラブルに巻き込まれないように、身近な大人や学校側から積極的にコミュニケーションを取っていくことも重要であると考えられます」とコメントしている。