日本テレビ系大型特番『24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?』(8月31日~9月1日)の制作発表会見が16日、東京・汐留の同局本社で行われ、日テレ幹部らが今年の放送にあたっての決意を述べた。
今年も放送する理由「支援を必要とする方がいるならば」
系列局の日本海テレビでの募金着服という不祥事が発覚してから初めての開催となるが、森實陽三執行役員コンテンツ制作局長は「あってはならないことだと思います。我々は一旦立ち回りまして、各所を点検して再発防止策の策定をしたところでございます。その上で今年も放送することを決めました」と説明。
放送を決心した理由は、「非常にシンプルなものでございます。支援を必要とする方がいるならば、少しでも多くのチャリティーを届けたいという思いだけでございます」とし、「立ち止まる瞬間があったからこそ、原点に立ち返ることができたと思っております。『24時間テレビ47』、新たなスタートの年にしたいと思っております」と力を込める。
複数年かけて信頼を取り戻す
24時間テレビチャリティー委員会の佐々木豊事務局長は「断じて許されない行為を起こしてしまったことを、チャリティー委員会としてお詫びしたいと思います。本当に皆様申し訳ございませんでした」と謝罪。今回の件を受け、外部弁護士を交えた再発防止対策チームを作り、現金を取り扱う際の外部事業者への委託の推奨や、キャッシュレス募金の義務化といった再発防止策を策定した。
また、参加する31社は、今年の『24時間テレビ』の募金活動に向けて、活動計画書をチャリティー委員会に提出。さらに、『24時間テレビ』本番の2日間、実際に安全な募金活動が行われているかを、外部弁護士とともにモニタリングチェックするという。
佐々木氏は「これらの活動を今年で終わりにせず、複数年続けて、我々はルール改善を続けます。全ての目的は、失ってしまった信用をチャリティー委員会として取り戻すことにあります。そのために我々は募金活動のルールを見直して、複数年かけて皆様から信頼していただける募金活動をするチャリティー委員会となるために、再スタートを切りました」と決意を述べた。
不祥事を起こした日本海テレビも、今年の『24時間テレビ』に参加。佐々木氏は「日本海テレビは我々が規定している再発防止策よりもさらに厳しい対策を採っています。具体的に言うと、募金活動をするときに他の局では“2人以上でやる”というところを、“社員2名とボランティアなど合わせた3名体制で実施する”など、厳しい基準をつけて参加します」と説明した。
萩本欽一「優しい『24時間テレビ』になるかもしれないね」
今年は、総合プロデューサー・吉無田剛氏と総合演出・上利竜太氏がタッグ。このコンビは、コロナ禍に突入した2020年も担当したが、吉無田氏は「あのときも非常に難しい『24時間テレビ』で、チャリティーを届けるにはどうしたらいいのか、制作陣で必死に考えました。そして、届けられる人が動いて、その年にできる形でチャリティーを続けることが大事なんだという志を持って、『24時間テレビ』を放送しました」と振り返る。
その上で、「今年も非常に難しい年での制作と感じています。ただこの半年以上ずっと、どうやって届けるべきか、制作スタッフ、出演をお願いする方々とみんなで必死に考えて、来月に迫りました『24時間テレビ』を迎えようと思っております」と心境を述べた。
また、第1回の総合司会を務めた萩本欽一に、今年のテーマ「愛は地球を救うのか?」を伝えると、萩本は「すごいことするね。でも、ちょっとそれ面白いかもね。それってこの46年間の感謝がないとできないことだし、今年は優しい『24時間テレビ』になるかもしれないね」と感想を語ったそう。
吉無田氏は「すごく制作スタッフは背中を押された気分でした」と大きな力になったことを明かし、それを踏まえて、「チャリティーがどうあるべきかというのを一つ一つ考えて、今年にふさわしい新しい『24時間テレビ』を届けようと思っております。ぜひ、注目していただけたらと思います」と呼びかけた。