• 窪塚愛流

昨年の10月3日に20歳の誕生日を迎えた窪塚だが、その20代の幕開けは嶽本野ばらによる同名小説を篠原哲雄監督が映画化した『ハピネス』で主演を務め、本作では舞台初出演を果たすなど、“初めて”にあふれた希望に満ちたものとなった。20歳としての1年を「挑戦の年」と位置付けた窪塚は、「ある意味、自分が試されている時期。今を大切に、どの仕事も毎回ホームランを打つつもりで臨みたい」とキッパリ。役者という仕事に、とことんのめり込んでいる。

これまでの道のりを振り返ってみると、『泣き虫しょったんの奇跡』(2018)のオーディションを受けて15歳でデビュー。「興味本位でオーディションを受けましたが、映画の世界や役者さんにはずっと憧れがありました。映画の中の人って、悪役だとしてもみんなヒーローに見えて、僕にとってはものすごく輝いて見えて。俳優はいろいろな職業や人生を経験できる仕事で、役の分だけその人の気持ちになることもできる。また映画やドラマなどエンターテインメントというのは、極論、なくても生きてはいけるかもしれないですよね。でもなかったとしたら、寂しい。そこに情熱を捧げられることは、かっこいいと思いました」と憧れを募らせ、俳優の世界に飛び込んだ。

父親からの教えで大切にしているのは「挨拶をしっかりとすること」だという。「芝居の話を聞くのは、最終的に追い詰められた時だけ。そうしようと決めています」と語る。

窪塚は、話題作への出演が相次いでいる現状に「ありがたい。とても光栄です」と感謝しきり。「自分の力だけではなくて、自分を見てくださっている方がいるからこそ、今があります。僕は縁に恵まれている。これからもご縁や巡り合わせが途絶えないように、地に足をつけて、謙虚さを大切に歩んでいきたいです」と誠実で真摯な姿勢が、なんとも魅力的だ。「役によって雰囲気をガラッと変えられる、変幻自在な俳優になりたいです」と熱っぽく未来を見つめていた。

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■窪塚愛流
2003年10月3日生まれ、神奈川県出身。2018年、豊田利晃監督の映画『泣き虫しょったんの奇跡』で俳優デビュー。2021年から本格的に俳優活動を開始。映画『麻希のいる世界』(22)、日本テレビ系ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(23)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24)などに出演。映画『ハピネス』(24)では主演を務めた。

ヘアメイク:大和田一美(APREA) スタイリスト:上野健太郎 KENTARO UENO