こうの史代の描き下ろしイラスト。(c)こうの史代

こうの史代、武田一義、魚乃目三太が、「台湾巨匠傑作選2024~台湾映画の傑物 ワン・トン(王童)監督と台湾ニューシネマの監督たち~」の開催を記念して、コメントとイラストを寄稿した。

7月20日から東京・K’s cinemaで開催される「台湾巨匠傑作選2024~台湾映画の傑物 ワン・トン(王童)監督と台湾ニューシネマの監督たち~」は、“台湾ニューシネマ”を牽引したワン・トン監督をはじめとする監督たちの作品を上映するイベント。ワン・トン監督の未公開作品「無言の丘」「村と爆弾」の2作品を含む、全20作品が上映される。

こうのは「無言の丘」について、「怒りにもキリがない。悲しみにもキリがない。せめてキリがないほどの菜の花で飾らないと気がすまない。そんな優しい映画。」とコメント。武田は「村と爆弾」について「戦争と貧困の理不尽を、皮肉を利かせつつもどこかおおらかに、笑いたっぷりに見せてくれる監督のセンスに感服です」と語った。また魚乃目は「バナナパラダイス」について、「この映画を見終わった後、僕もこういう物語をいつか描きたいと思いました。また何度でも見ようと思います」と綴っている。さらにワン・トン監督からのコメント動画も公開された。

こうの史代コメント

怒りにもキリがない。悲しみにもキリがない。せめてキリがないほどの菜の花で飾らないと気がすまない。そんな優しい映画。

武田一義コメント

本作の主人公アファとコウズエは小作農の兄弟。眠るふたりのまぶたに母親が牛の目ヤニを塗り付け結膜炎にして徴兵検査を免れる。という現代人が身震いするような不衛生エピソードに始まり、第二次世界大戦中日本統治下の台湾の農村がディテール豊かに描かれます。
戦争と貧困の理不尽を、皮肉を利かせつつもどこかおおらかに、笑いたっぷりに見せてくれる監督のセンスに感服です。

魚乃目三太コメント

1949年 戦後の台湾史を知る上でも貴重な映画です。
明るくて生きるのが不器用な人物たちが出てきます。
この映画を見終わった後、僕もこういう物語をいつか描きたいと思いました。
また何度でも見ようと思います。