座長の伊藤については「沙莉さんには人としても圧倒されます。人としてとても素敵な人。飾らないし、すごく親しみやすい方で、ありえないくらいにすごいです」と称える。

「個人的には、沙莉さんのお兄さんであるオズワルドの伊藤俊介さんが、僕たちのファンだと言ってくださったり、うちの母親が沙莉さんの 大ファンで『パラサイト』という舞台を2回くらい観に行ったりしていたので、そこをきっかけにいろいろ話をさせてもらいました」

さらに彼女の演技面でも驚かされたとか。

「さきほどまで楽屋で爆笑しながら話していたのに、本番になった瞬間、急に大泣きをされていて。お芝居の流れで感情が変わり泣くことはよくあると思いますが、いきなり泣くシーンから始まっても大泣きできるなんて、天才的な方なのかなと。いい意味で表情がすごく分かりやすいのに、お芝居がトゥーマッチにならず、ただただそのまま気持ちが顔に出ている気がして、本当に素敵です」

『虎に翼』の面白さについても三山は「脚本の吉田恵里香さんが天才です」と太鼓判を押す。

「(三山も出演した)『生理のおじさんとその娘』の時もそうでしたが、テーマが攻めているのに、世間から共感を得られる台本に仕上げられるんです。きれいごとだけではなく、人間としての泥臭い部分も上手に脚本に落とし込まれていますし、そのニュアンスに『ああ、わかるわかる』とうなずいてしまう。いろんな差別なども描かれていますが、それは現代社会においても大きなトピックであり、昭和の時代と今が結びつき、他人事じゃないなと、今の時代の人が観ても大いに共感できるなと思います」

直明を演じ“優しさを持つこと”の大切さを実感

また、直明を演じたことで「優しさを持つことは大事だなと改めて思いました」と述懐。

「今も生きづらい世の中ですし、僕自身もせかせかしたりイライラしたりする瞬間もありますが、そういう時に『虎に翼』の現場に入り直明になると、すっと気持ちが落ち着くし、デトックスされる瞬間がけっこうあります。そんなに怒ったり、せかせかしたりする必要はないなとリラックスさせてもらえることはすごくいいなと感じました」

三山にとって他にリラックスできるひとときについて聞くと「友達と息抜きすることです」と即答。

「お酒を飲んだり、友達などと息抜きをすることは僕にとってすごく大事で、それを禁じられたらどうなっちゃうんだろうと(笑)。また、サウナも好きなので、そこでもデトックスできます。また、沙莉さんとも『そろそろ飲みに行きましょう』という話も出ていますが、共通の知り合いも多いですし、今後は打ち上げもあると思うので、一緒に乾杯する機会もありそうで楽しみです」

この先、寅子と直明が“対峙する”という見せ場もあるそうなので、今後も楽しみに観ていきたい。

■三山凌輝
1999年4月26日生まれ、愛知県出身。俳優として舞台やドラマ、映画などに出演するとともに、2021年よりボーイズグループ・BE:FIRSTのメンバーとしても活動。2022年より2年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場。俳優としての近年の出演作は、映画『HiGH&LOW THE WORST X』(22)、ドラマ『往生際の意味を知れ!』(23)、『生理のおじさんとその娘』(23)など。

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