第一三共ヘルスケアは、全国20~60代の男女632人を対象に、「通勤時の熱中症対策に関する意識調査」を実施した。期間は2024年5月7日~8日。方法はインターネット調査で、ジャストシステムを委託先としている。

  • 第一三共ヘルスケア「通勤時の熱中症対策に関する意識調査」

コロナ禍以降、リモートワークと出社と併用する「ハイブリッドワーク」が定着してきたが、コロナ禍の2020~2023年と比べ、約4割は出社頻度が増えていることが判明した。

夏場の通勤時、屋内外の不快な寒暖差によって仕事の生産性が低下するという結果も明らかになったことから、今年は「暑熱順化」をしっかり行い、体を暑さに慣らして体温調節することが夏を乗り切るカギになりそうだという。

また「地球沸騰化」といわれるほど世界的に気温上昇がみられる昨今、重度の症状ではないものの、自覚することが難しい「通勤時かくれ熱中症」にも注意が必要とされる。

  • [図1]コロナ禍の2020~2023年と比較した出社頻度

  • [図2]出社頻度が増えたことによるストレスの感じ方

出社頻度が「増えた」「増えたような気がする」と回答したのは約4割(42.5%)だった[図1]。また、出社頻度が増えた人のうち、「ストレスを感じるようになった」と回答したのは約7割(72.1%)であり、在宅ワークを中心とした働き方が根付いていることがうかがえる[図2]。

  • [図3]通勤時の屋内外への出入りで生じる寒暖差による仕事のパフォーマンスの低下率

  • [図4]自分が熱中症になる危険性をどの程度感じているか

出社頻度が増えたと回答した人[図1]のうち、夏場の通勤時に屋内外を出入りすることで「寒暖差」を不快に感じた経験がある人に、パフォーマンスへの影響を聞いた。

その結果、「仕事のパフォーマンスが60%未満に低下した」と回答したのは4割以上(44.0%)であり、寒暖差は仕事の場面で影響を及ぼすことがうかがえる[図3]。また、自分自身が熱中症になる危険性をどの程度感じているか聞いたところ、「感じていない」と回答したのは半数以上(54.4%)となり、一般的に熱中症への意識が低いことが推測できる[図4]。

  • [図5] 通勤時に熱中症になった(またはなりそうになった)自覚がある人の主な症状

最も多いのが「不快だと感じるほどの症状」(44.1%) 、次いで 「集中力低下などの支障をきたす症状」(42.8%)となった。比較的自覚しにくく、対策を怠ってしまう症状レベルであるため、軽症であるとしても熱中症の一歩手前になるリスクがあることを自覚し、重症化させないための正しい対策を身につける必要があることがわかった[図5]。

  • [図6] 夏場に十分な睡眠が取れているか

  • [図7] 1か月のうち発汗を伴う運動の頻度

夏場は他の季節と比べて「よく眠れない」と回答したのは約7割(66.0%)であり、熱中症対策にとって重要な睡眠を十分に取れていないことがわかった[図6]。

また、1カ月のうち発汗を伴う運動を「行っていない」と回答したのは約4割(44.8%)であり、日頃から運動や身体のケアを十分に行えていないことがうかがえる[図7]。

出典:第一三共ヘルスケア「通勤時の熱中症対策に関する意識調査」