アクサスは4月24日、「女性ITエンジニアの実態」に関する調査の結果を発表した。同調査は3月26日~3月27日、女性ITエンジニア(会社員)1,002名を対象にインターネットで実施した。

  • ITエンジニアを目指した理由

まず初めに、ITエンジニアを目指した理由について尋ねたところ、「市場価値の高い職業で将来仕事に困らないと考えたから」(43.8%)と答えた人が最も多く、次いで「成長業界に身を置いて第一線で活躍したいと考えたから」(33.0%)という回答が並ぶ結果となった。

これにより、安定性や成長性を重視して、ITエンジニアを目指した人が多いことがうかがえる。

  • 目指していた理由は実現できたか・実現していない理由

続いて、目指していた理由は実現できたか尋ねてみると、「実現した」(37.8%)「ある程度実現した」(53.0%)と答えた方が9割を超える結果となった。

ITエンジニアを目指した理由の回答とあわせて考察すると、多くの人がITエンジニアという職業の安定性・成長性を実感していると見受けられる。

実現していない理由を尋ねたところ、「十分なスキルが身に付いていないから」(43.5%)と答えた人が4割を超える結果となり、スキル面においてITエンジニアを目指した理由を実現できていない人が多いことが分かる。

  • 現在の役職・職場における女性エンジニアの割合

現在の役職について尋ねたところ、「一般職」(47.9%)の人が最も多く、次いで、「中間管理職(チームリーダー/マネージャー)」(42.2%)の方が僅差で並ぶ結果となった。部門長以上の方は約1割となり、女性エンジニアが管理職に就くことの難しさがうかがえる。

職場における女性エンジニアの割合を尋ねたところ、「1割未満」(13.9%)「1割」(23.6%)「2割」(38.6%)と回答した人が約7割となり、職場における女性エンジニアの割合が少ないことが分かる。

  • 性別関わらず働きやすい環境か・女性として現職で課題に感じていること

性別に関わらず働きやすい環境だと思うか尋ねたところ、「はい」(69.3%)と答えた人が約7割となり、多くの職場で性別に関わらず働きやすい環境が整備されていることがうかがえる。

女性として現職で課題に感じていることを尋ねたところ、「女性のロールモデルがいない」(34.4%)に次いで、「生理などによる体調不良が言い出しづらい」(30.3%)と答えた人が多く、これらは職場における女性エンジニアの割合が少ないことで生じる問題と見受けられる。

  • 転職を考えているか・転職先に求める環境

転職を考えているか尋ねたところ、「はい」(68.9%)と答えた人が約7割に上り、転職を考えている人が非常に多い結果となった。

転職先に求める環境を尋ねたところ、「給与や待遇のアップ」(45.5%)に次いで、「女性が活躍している環境(女性比率や管理者比率など)」(35.7%)を求める人が多い結果となり、女性の活躍を推進している企業で働きたいと考える人が多いことが分かった。

  • 転職先で実現したい理想のキャリアプラン

最後に、転職先で実現したい理想のキャリアプランについて尋ねたところ、「プロジェクトマネージャーとして活躍したい」(26.4%)と答えた人が最も多く、次いで、「管理職に就いてマネジメントに携わりたい」(24.6%)という回答が並ぶ結果となった。将来的には管理職として周囲の人々を巻き込みながら、プロジェクトを統括する立場になりたいと考える人が多いことがうかがえる。

今回の調査で、性別に関わらず働きやすい環境を整えている企業が多い一方で、約7割の方が転職を検討していることが明らかになった。また、エンジニアになった理由の上位である安定性や成長性を実感している方が多いものの、その後のキャリアアップとして管理職に就いてプロジェクトを統括する立場の方は少ないようだ。