ノーヒットノーランを達成した戸郷翔征(C)Kyodo News

◆ エースから大エースへ

 戸郷翔征がプロ野球史上89人目のノーヒットノーランを達成し、巨人が阪神との伝統の一戦を制した。

 初回を3人ともにセンターフライで打ち取る順調な立ち上がり。3回2死からは自らの悪送球で初めて出塁を許し、5回には岡本和真のエラーもありながらヒットは打たせぬまま1点のリードを保ち9回のマウンドへ。独特の緊張感の中、先頭の木浪聖也にこの日初めての四球を与え、代打の小幡竜平に送りバントを決められ1死2塁のピンチにも動じず、近本光司をファーストライナー、続く中野拓夢を空振り三振に抑え、9回を123球、奪三振5の内容で大記録を達成した。

 快投を演じた戸郷に対し、24日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説として出演した仁志敏久氏は「前半は結構フライアウトが多いんですよ。後半になるとゴロアウトが多くなってきて。なので前半、ある程度元気なうちは真っ直ぐで押しておいて、最後の終盤は1対0というのもあったんですけども、長打を食らわないように低め低めにフォークと。今日はフォークが非常に良かったのでね」と好投の要因を分析。

 もう一人の解説者・五十嵐亮太氏はストレートの切れプラス「両サイドへの投げ込みがめちゃくちゃうまいなって思いました。また後半はすごく丁寧さっていうのが際立ちましたね。終始安定して、集中力を切らさずに投げ切りましたよね」と 全てにおいて高評価を与え「このままいい感じで勝ち続けて、沢村賞も取っちゃえばいいのになっていう感じになりますね」と大きな期待を口にした。

 沢村栄治氏以来、88年ぶりに甲子園での阪神戦でノーヒットノーランをやってのけた戸郷翔征。エースから大エースへの階段をまた一つ登っていった一戦だった。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』