パナソニックは5月22日、「今夏のエアコン利用意向に関する実態調査」の結果を発表した。調査は2024年5月8日~2024年5月8日、エアコンを所有している20~60代の男女555名(男性268名、女性287名)を対象にインターネットで行われた。

  • 2024年 今夏のエアコン利用意向に関する実態調査

4月末時点では全国的にエアコン冷房利用開始が早い傾向に

今シーズン既に一度でも利用したユーザーの割合を表すエアコン冷房累計利用率を算出し、全国47都道府県で比較したところ、4月末時点での利用率は、47都道府県すべてで昨年同時期の利用率を上回り、今年は4月中に冷房利用を開始した方が昨年よりも多く、全国的に冷房利用開始が早い傾向となった。

  • エアコン冷房利用率ランキング2024

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今回算出した5月20日時点でのエアコン冷房累計利用率は、九州・沖縄地方の利用率が高く、続いて関東地方の利用率が高い傾向にある。同率7位の茨城県・埼玉県・千葉県・東京都では4割近い38%がエアコン冷房を利用開始しており、いずれも4月末時点から8%~10%利用率が伸びている。これからますます暑さが本格化する中、エアコン冷房の利用率も大きく伸びることが予想される。

電気代値上げや電気代補助終了が家庭を直撃 「負担を感じる」81%

  • 2023年1月より政府による電気代補助が開始したことと、2024年5月使用分をもって補助が終了することを知っていますか?

2024年5月使用分をもって終了する政府による電気代補助。その開始と終了については、「開始も終了も知っている」が37%の一方、「開始は知っているが終了は知らない」が24%と、終了することを知らない人も多い様子。また、34%が「開始も終了も知らない」と回答し、政府による電気代補助を認知していない人も多くいた。

「電気代値上げや6月から政府による電気代補助が終了となる中、家計への負担を感じますか?」という質問では、「とても感じる」(50%)、「やや感じる」(31%)と81%が家計への負担を感じていることが浮き彫りに。

  • 電気代値上げや6月から政府による電気代補助が終了となる中、家計への負担を感じますか?

この状況を受けて「今夏はより節電に取り組みたいと思いますか?」という質問では、「積極的に取り組みたい」(27%)、「どちらかと言えば取り組みたい」(50%)と、77%が節電意向があることがわかった。さらに、「今年の夏は節電のため、エアコン冷房の利用をガマンしようと思いますか?」という質問では、「かなりガマンしたい」(10%)、「ややガマンしたい」(33%)と43%がエアコンガマン派であることがわかった。

  • 電気代値上げや6月から政府による電気代補助を受けて、今夏はより節電に取り組みたいと思いますか?

  • 今年の夏は節電のため、冷房の利用をガマンしようと思いますか?

パナソニック エアーマイスターが教える初夏のエアコン節電術

今回の調査では、電気代を取り巻く厳しい状況が続く中、高い節電意識とエアコンガマン意向が明らかに。これらを受けて、パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が初夏のエアコン節電術を解説。

夏本番前のこの季節の節電術としておすすめなのが「送風運転」の活用だという。冷房運転と比較すると送風運転は消費電力が小さく、1時間の電気代は約0.4円だとか。(消費電力量約12Wh。電力料金めやす単価31円/kWhで計算。使用条件等によって異なる)

1994年に国際的な標準指標として規格化された、人がどれくらい快適かを表す指標「PMV」では、人が感じる暑さ・寒さの度合いを温度、湿度、放射、気流、活動量、着衣量の6つの要素から算出する。この指標をもとに考えると、エアコンの設定温度を調節せずともPMVにおける「温度」以外の要素をコントロールすることで、快適な温度を得られる場合があるという。

  • PMV(Predicted Mean Vote)

例えば、「気流」つまり風速をコントロールすると、体感温度は変化する。扇風機の「中」程度の風速である1m/秒風速があがると、体感温度は約1℃~2℃程度下がる。送風運転でエアコンの風向きを調節することで、冷房を使わずに体感温度を下げ、快適に過ごせる場合があるという。冷房を利用する場合は、設定温度を1℃上げて、風量を上げることで体感温度を変えずに約13%の節電ができる。