アサヒ飲料のロングセラーブレンド茶「アサヒ 十六茶」。その名の通り16種類の健康素材が入ったお茶ですが、なぜ「"十六"茶」なのでしょうか。また「十六茶」の原料を作っているのは世界に1か所だけだということを知っていましたか?
今回、「十六茶」の秘密とこだわりを探りに、原料を作っている静岡のシャンソン化粧品を訪れた様子をレポートします。
「十六茶」はなぜ16種類の素材が入っている?
1993年に「お茶どうぞ 十六茶」として登場した「十六茶」、その始まりは、静岡を拠点とする化粧品・健康食品メーカーのシャンソン化粧品が1985年に発売したブレンドにあります。缶やペットボトルのお茶市場が拡大するなか、アサヒ飲料は"美容と健康のためのお茶"に着目、原料の提供を受け、ブレンド茶の先駆けとして商品化されました。
一度に16素材の様々な味わいが楽しめる「十六茶」ですが、なぜ16種類なのか、アサヒ飲料で無糖茶のプロデューサーを担う内田勝大さんに聞くと「東洋医学の健康思想に基づいて、体の内側のバランス"六臓六腑"と、甘い・苦い・しょっぱい・すっぱいの体の外側のバランス"四味覚"の考え方を元にしているからです」とのこと。「『十六茶』はなんで十六なんだろう」……「十六茶」を手にした時だれしも一度は抱く疑問、「6臓+6腑+4味覚=16」が「16種類の素材」の由来になっているんですね。
この16種類の素材自体や焙煎、ブレンドの配合比率は、ユーザーが考える「理想の穀物茶」を調査し、そのニーズに合わせて毎年見直しているこだわりぶり。えっ、ずっと同じ味じゃなかったんだ!?
「おいしさと健康を追求したブレンド茶」というコンセプトの「十六茶」、2024年のリニューアルでは甘く香ばしく、すっきりとした味わいのブレンド茶になったそう。健康に気を使いながらおいしいお茶を飲みたい、というニーズに応えて進化を続けています。
また、付加価値のあるバリエーションも多数展開されています。美素材のナツメを増量しルイボスを使った新作「美的十六茶」が6月18日に登場するほか、「十六茶麦茶」、機能性表示食品の「ぎゅっと濃い十六茶」「十六茶と3種のいいこと」と、自分好みの味を選ぶことができます。
世界で1か所だけ! 静岡の「十六茶」工場見学
「十六茶」の原料を作っているのが、静岡のシャンソン化粧品。ここで十六種類の素材の原料調達から焙煎、ブレンドを行い、アサヒ飲料で抽出・充填・ラベリングを経てペットボトル飲料としてわたしたちの手元に届きます。
ハトムギや大麦を香ばしく焙煎する大きな焙煎機では、原料やその日の気温によって焙煎具合を調整。出荷前に味や水色の検査を行うなど、多くのプロの手を経て製品になります。
ちなみに「十六茶」を作っているのは世界でここだけ。さらに日本だけでなく、台湾やアメリカで販売する「十六茶」も作っているそう。その国の好みによって素材のバランスも変えているとのことで、どんな味なのか気になりますよね。
オリジナル「十六茶」づくりにチャレンジ!
そんなプロが手掛ける「十六茶」、自分の好みに合わせたブレンド体験にチャレンジしてみました! オリジナル「十六茶」は、ベースに好みの素材を出していきます。おいしい十六茶をつくるぞ〜!
16種類の素材を出されて「好みの味にしてください」と言われても、味のイメージが沸かない……と悩みそうですが、大きく4つに分かれています。香ばしさを楽しみたいなら穀物中心の「香ばしブレンド」に、ナツメや小豆などを組み合わせてほのかな甘みを楽しめる「甘みブレンド」など、オススメのブレンドも教えてもらえます。
- 穀物:ベースになる素材。香ばしさや甘さが特徴。ハトムギ、大麦、米、とうもろこしなど。
- 葉物:漢方のような独特の風味や苦みが加わる。柿の葉、ビワの葉など。
- 根:コクや苦み、土のような香りがプラスされる素材。タンポポの根、ごぼうなど。
- 果物:酸味や柑橘のアロマが楽しめる。ミカンの皮、ゆずの皮、ナツメなど。
今回は健康に良さそうなお茶にしたいので、葉物や根の素材を組み合わせた「漢方風ブレンド」をベースに、フルーツティーが好きだから、果実系の素材もプラスしてみようかな〜。「ハブ茶」「柿の葉」「ビワの葉」「タンポポの根」「ごぼう」に「ゆずの皮」「ミカンの皮」を加えてみました!
普段飲み慣れた「十六茶」を自分好みにブレンドする機会はそうそうないもの。この「わたしが考えた最高のフルーツ健康十六茶(仮)」にハマったら、普通の「十六茶」じゃ物足りなくなっちゃうかな〜!とかウキウキしながらお湯を入れ……
1分待ったら完成!いただきます!
こ…これは……!!! 後味が妙に苦い!?
飲みはじめは「柿の葉」や「びわの葉」由来と思われる葉っぱの青い香り、そして遠くに出汁のような味がします。これは「ごぼう」だろうか……。そして特筆すべきは後味が微妙~に苦い。柑橘のような苦みなので「ゆずの皮」「ミカンの皮」かもしれない。ちょっと素材のバランスを変えるだけで、いつもの「十六茶」とはかけ離れた味わいになりました。
素材のイメージと抽出後の味とのズレが思ったよりも大きく、想像していた「フルーツ健康十六茶(仮)」とは程遠い仕上がりの「始め出汁味後味苦めの十六茶」が爆誕してしまった~! こんなはずではなかったと思いつつ、飲んでいるうちに愛着がわいておいしく感じてくる……かもしれない。
「十六茶」は飲み始めから後味まで16種類の素材の複層的な香りの変化が特徴ですが、「オリジナル十六茶」は自分が追加した素材と照らし合わせつつ、これはどの素材の味だろう? と考えながら飲む楽しさがあります。難しい! でも面白い! そしてクセなくゴクゴク飲みたくなる「十六茶」を作るアサヒ飲料とシャンソン化粧品の"プロの仕事”はすごい……と改めて尊敬したくなるブレンド体験でした。
なお今回体験した「オリジナル十六茶」づくりは、5月22日~27日の期間限定で東京・神宮前にて開催されるポップアップショップ「十六茶presents『16CHA FOR YOU』」で体験できます。自分好みの「十六茶」を作ってみたい! 「ぼくのかんがえた最高の十六茶」に出会いたい!という方にぜひチャレンジしてほしいイベントですが、フルーツティー目指して柚子の皮を多めにいれるのだけはご注意を!
■十六茶 presents 「16CHA FOR YOU」
会場:神宮前 COURT C(東京都渋谷区神宮前4-24-3)
開催期間:5月22日(水)~5月27日(月)11:00~19:00
入場料:無料
特設ページ:十六茶 presents 「16CHA FOR YOU」