日本サウナ・温冷浴総合研究所は5月20日、「日本のサウナ実態調査」の結果を発表した。調査は2024年3月、18~69歳の男女10,000人(男性5015人/女性4985人)を対象にインターネットで行われた。(推計人口に関しては各年の総務省統計局人口推計を用いたウエイトバックを行っている)

サウナ愛好家人口推移

  • サウナ愛好家推計(人口)(2016~2023)

同研究所は、調査開始以降「年に1回以上サウナに入る人」「月に1回以上サウナに入る人」「月に4回以上サウナに入る人」をそれぞれ「ライトサウナー」「ミドルサウナー」「ヘビーサウナー」と区分し調査・推計してきた。サウナ・温冷浴に関して、ブームが来ているとの報道があるが、人口推移を分析すると大きな変化は観察されないということがわかった。昨年リリースにおいては、コロナの影響で全般的にサウナに行く頻度が減ったユーザーがすべての層で復調傾向にあり、全体人口も微増。一方で昨年から今年にかけては、全体人口とライトユーザーは増加(それぞれ1681万→1779万、845万→1128万)したものの、ヘビーユーザー、ミドルユーザーは減少(それぞれ、287万→219万、548万→431万)した。いずれの層もコロナ前の2020年までには復調していない。頻度ごとの増加を細かく見ても「半年に1回程度」「1年に1回程度」の層が増えているのみで利用頻度の多い愛好家が全般的に減っている。

  • サウナ愛好家の人口推移(2016~2024)

2022-23愛好家人口動向においても増加を後押ししているのは「半年に1回程度」「1年に1回程度」で、利用頻度の高いユーザーは概ね20%程度減っている。

  • 2021-22年サウナ愛好家人口動向)

サウナ愛好家人口推移の地域差

  • サウナ愛好家推定人口(対前年比)地域別比較

サウナ愛好家の地域差の検証のため「関東都市圏」「関西都市圏」「その他」で比較も、ヘビーサウナー、ミドルサウナーともに減少、ライトサウナーが増、と大きな地域差は見受けられなかった。

温冷浴の認知度

  • 温冷浴認知度の推移

温冷浴(「熱気浴/蒸気浴→冷水浴→外気浴」のサイクル)に関しては調査開始以来減少し続けていた「知らない」がやや増加(16.8%→20.4%)。同様に調査以来増加し続けていた「知っていて、実践している」が減少した(40.8%→35.8%)。愛好家の減とともに温冷浴の認知・実践者ともに減った。

サウナにいくらかけてもいい? サウナに行かない背景は?

  • サウナにいくらかけてもいいか?

「サウナにいくらかけてもいいか?」に関しては、サウナーは500円以上1000円未満、非サウナーは500円未満が多い。全国の公衆浴場価格が概ね500円以下であることを考えると、サウナーであれば公衆浴場価格以上でも構わないが、非サウナーは公衆浴場価格を適正価格としているようだ。

  • サウナに行かない背景

非サウナーに「サウナに行かない背景」を聞いたところ、「サウナに興味がない」の回答が53%、以降「サウナを気持ちよいと思わない」(19%)、「サウナよりも優先すべき趣味を持っている」(12%)、サウナに行く時間がない」(12%)、「他人と裸で同じ空間にいることが苦手だ」(11%)、「値段が高い」(10%)などが挙げられた。

  • どうすればサウナに行くか?

非サウナーに対して「どうすればサウナに行くか」を聞いたところ、「変化や改善があってもサウナには行かない」の回答が25%、「時間的余裕があれば行きたい」(14%)、「金銭的余裕があれば行きたい」(13%)、「便利な立地にサウナがあれば行きたい」(12%)、「価格が安くなれば行きたい」(10%)との結果に。時間・場所・価格などの要因が解消されれば、サウナーが増える可能性があると考えられる。