俳優の岩城滉一が主演を務める、映画『ラストターン 福山健二、71歳二度目の青春』(5月10日公開)の場面写真が、公開された。

  • 映画『ラストターン 福山健二、71歳二度目の青春』

■宮崎美子・高月彩良・田山涼成が語る岩城滉一の印象とは

今回公開されたのは、健二の第二の人生を明るく照らす人物たちの場面写真。

“普通の71歳”福山健二は、認知症の妻を看取り、定年を向かえ、趣味なし、友人もなし、空虚な日々の中で、刻々と近づく人生の最期を意識し始めていた。そんな中、健二の目にふと入ってきたシニア向けのコミュニティクラブ「健康長寿いきいきクラブ」。最初は乗り気でない健二だったが、ここでの出会いが健二の第二の人生を輝かせてくれることに。

まずコミュニティクラブで出会ったのは橋本勉(田山涼成)。とにかく陽気で社交的な橋本は、遠慮しがちな健二をぐいぐい引っ張っていき、最初はそのペースに戸惑う健二だったが、気付いたらすっかり仲良しに。泳げないためずっと敬遠してきた水泳教室に誘ってくれるなど、決して新しい世界に果敢に飛び込んでいくタイプとは言えない健二の殻を破ってくれる存在となっている。岩城は田山との共演について「友人役の田山さんは根っからの役者さん。お芝居に真剣に打ち込んで来られた方ですし、施設での共演者の方々にも引っ張られて自然に溶け込めました」と振り返る。田山も「岩城さんは本当にかっこよくて素晴らしい方。自分とはこんなにギャップがあるのに、この映画での出会いがとても嬉しく、楽しくお仕事させていただくことができました」と話した。

高月彩良が演じるのは、水泳教室の講師・岸本香里。水泳選手の夢破れ、市民スポーツセンターの講師を務めるという彼女自身も、悩み、葛藤しながら“第二の人生”を模索するという役どころだ。高月は、香里について「夢に向かって、真っ直ぐに走ってきた格好いい人間だと思います。この映画の中で“真面目さ”が輝く人になれたらいいなと思い演じさせていただきました」と印象を語る。劇中の香里は「現役の選手に戻りたい、私の本来の居場所はここではない」と、その尖った気持ちが水泳の指導にも表れてしまい、生徒にも無理をさせてしまう。しかし、泳げるようになることを諦めない健二との心の交流を通して、香里自身も前を向いていく。「香里の表情豊かになってゆく描写は、岩城さんの優しさに引き出してもらいました。本当に俳優を続けていて良かったと、岩城さんとの出会いに感謝しています」と感謝を口にした。

最後に、宮崎美子演じる健二の亡き愛妻・佳代。健二は毎晩、佳代に語りかけるように、その日起きた出来事を日記につづる。コミュニティクラブに参加するとき、そして、苦手な水泳にチャレンジするとき……妻と前向きに生きてきた記憶が、壁にぶつかったときに健二の心の中でいつも背中を押す。宮崎は「“妻”だったり、“奥さん”だったり、“母”だったり、健二さんにとって佳代は大きな存在なんだな、と感じました」と振り返る。 長年一緒に歩んできた夫を演じた岩城に対しては「決してかっこよくない年齢の“ありのままの姿”を表現できるかっこいい方だな、と思いました」と印象を語った。

一方で、岩城も「健二を演じたことで、人はひとりでは生きられない。家庭や趣味でもパートナーの存在がいかに大事か。改めて実感しました」と話した。

(C)2023『ラストターン』製作委員会

【編集部MEMO】
映画『ラストターン 福山健二、71歳二度目の青春』は、人生の最期のページを意識し始めた71歳の主人公・福山健二(岩城)が一歩を踏み出して、様々な人との交流や新たな挑戦をはじめ、第二の青春を送ろうとする姿をオリジナル脚本で描く。ごく普通に暮らし定年を迎えた71歳になる健二は、認知症だった愛妻を看取り人生の最期を意識し始めていたが、自身の物忘れに不安を覚え、市のコミュニティクラブへ参加することを決意。さらにずっと苦手だった水泳に挑戦するなど、新たな一歩を踏み出していく。