日本労働組合総連合会は、「年金に関する調査2024」の結果を5月14日に発表した。同調査は2024年3月27日〜29日の期間、全国15歳以上の男女1,000人を対象に、インターネットを用いて行われた。

  • 「“年収の壁”を理解していない」56.4%

103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁など、いわゆる“年収の壁”を理解しているか聞いたところ、「理解している」(43.6%)に対し、「あまり理解していない」(40.5%)、「まったく理解していない」(15.9%)を合計した「理解していない」は56.4%になった。

男女別にみると、理解している人の割合は、男性では48.0%と、女性(39.2%)と比べて8.8ポイント高くなり、世代別にみると、理解している人の割合は、50代以上(50代50.6%、60代以上52.4%)で半数を超えた。

世帯別にみると、理解している人の割合は、共働き世帯(夫婦のどちらも扶養に入っていない51.3%、夫婦のどちらかが扶養に入っている56.9%)の割合が高くなった。

  • 「労働時間を一定に抑える調整をしている」扶養に入っている有職者の63.4%

労働時間を一定に抑える調整をしているか聞いたところ、「調整している」は13.3%、「調整していない」は86.7%だった。

男女別にみると、調整している人の割合は、女性では22.0%と、男性(6.0%)と比べて16.0ポイント高くなり、配偶者や配偶者以外の親族の扶養に入っている人についてみると、調整している人の割合は、全体では63.4%、女性では67.8%、男性では51.5%となった。

  • 労働時間の調整をするにあたって意識している収入調整をしている人の53.7%が「年収103万円」と回答

労働時間を一定に抑える調整をしている人に、労働時間の調整をするにあたって意識している収入を聞いたところ、「年収103万円」(53.7%)が突出して高くなった。

そのほか、「月額賃金88,000円(年収換算約106万円)」が20.0%、「年収130万円」が15.8%、「年収150万円」が1.1%となった。

また、社会保険や税、企業の配偶者手当など、さまざまな制度の収入要件がなければ、労働時間を延ばしたいか聞いたところ、「延ばしたい」は57.9%、「今と変えたくない」は42.1%となった。