4月26日に死去したウェディングドレスデザイナー・桂由美さんの半生を女優の高梨臨が演じる読売テレビのスペシャルドラマ『はれのひ シンデレラ ウェディングドレスを日本へ! ある女性の挑戦』が、同局で7日(26:11~)に再放送、TVerで3日に再配信されることが明らかになった。

  • 桂由美さん、高梨臨=読売テレビ提供

■ウェディングドレスデザイナー・桂由美氏の半生をドラマ化

桂さんの半生を高梨が演じる今作では、ドラマ化にあたり、本編内で使用するドレス・衣装の監修を桂さん本人が完全協力。桂さんは、いかにして日本にウェディングドレスを広めたのか、そして、なぜ世界のブライダルシーンに認められたのか。日本の結婚式の常識を変えた激動と情熱の軌跡を描いたドラマで、今年の2月24日に放送された。

桂由美さんの夫、結城義人役に小泉孝太郎、桂由美さんが企画を売り込む雑誌編集長、岡部浩史役に梅沢富美男、桂由美さんが信頼する部下、度会知恵役に吉田美月喜、桂由美さんの前に立ちはだかる着物業界の重鎮、岸田美輪子役に戸田恵子、桂由美さんの人生を変えた芥川龍之介の長男、芥川比呂志役に石井正則、洋裁学校を経営する桂由美さんの母親、桂みつ子役に鈴木保奈美というキャストが出演している。

■『はれのひ シンデレラ ウェディングドレスを日本へ! ある女性の挑戦』あらすじ

新たな人生の門出を祝う一大イベント・結婚式。“はれの日”を彩るウェディングドレスが当たり前になったのは、ほんの数十年前のこと。 約60年前は、結婚式でウェディングドレスを着る花嫁はたった3%だった。戦後、“婚礼=和装”が中心の時代でウェディングドレスを着る人どころか、働く女性さえも珍しかった時代。実業家として、変革者として、“女性たちの選択肢を増やしたい”と、ウェディングドレスの普及に努めた桂氏は、1964年に東京でオリンピックが開催された年、赤坂で日本初のウェディングドレス専門店をオープン。しかし創業当初、今の時代では想像すらつかない苦難の連続が待ち受けていた。着物業界からの嫌がらせ。相次ぐ注文キャンセル。日本ではドレスの素材すらそろわない現実。赤字続きで経営は苦しく、社員に給料を渡すのが精一杯で約10年間ほぼ無給だったという。それでも、「すべては花嫁の笑顔のために」と、花嫁たちが人生最良の日を一番輝ける姿で迎えられるために尽力してきた。そんな逆境を跳ねのけるきっかけとなったのは、奇跡の1着“ユミライン”だった――。

【編集部MEMO】
デザイナーの桂由美(かつら・ゆみ、本名結城由美=ゆうき・ゆみ)さんは、4月26日に享年94歳で死去。4月30日に株式会社ユミカツラインターナショナルが発表した。公式サイトには、「並外れたクリエイティブさと情熱を持つ桂由美は、花嫁の夢を叶えるため奔走し続け、日本人女性にぴったりのウエディングドレスや打掛をはじめとする婚礼衣装の開発をしました。1965年には着用率がたったの3%だったウエディングドレスも、現在では90%以上の花嫁が着用するようになり、その活動は婚礼衣装にとどまらず、結婚式のスタイルに強く影響を与えてきました。数々の困難を乗り越えながら、実業家として、変革者として、”婚礼衣装の選択肢を増やしたい”とブライダル革命を起こし続けた桂由美の功績に触れることなしには日本のブライダルは語ることが出来ないでしょう」と、桂由美さんのこれまでの功績を振り返りながら、「心より哀悼の意を表しますともに、ご冥福を心よりお祈りします」とコメント。「なお、桂由美本人の意向である、追悼ショー(偲ぶ会)を後日開催予定です」とも発表している。