現在放送中のカンテレ・フジテレビ系ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜22:00~)は、“記憶障害の脳外科医”である主人公・川内ミヤビ(杉咲花)が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく医療ヒューマンドラマ。今作で吉瀬美智子が演じているのが、看護師長の津幡玲子。病院の医療安全室長も務める“安全の鬼”で、記憶障害を抱えるミヤビが医療行為に参加することを強硬に反対している。29日放送の3話では、津幡が患者の安全に固執する理由、悲しい過去が明らかに。

インタビューでは吉瀬に、主演の杉咲からかけられた言葉や、津幡にフォーカスが当たる3話の見どころについて話を聞いた。

  • 吉瀬美智子

    女優の吉瀬美智子 撮影:泉山美代子

見た目から原作に近づけるよう努力

――まずは『アンメット』の魅力に感じる点を教えてください。

杉咲さん演じるミヤビちゃんが患者さんに寄り添う姿を軸として、ミヤビちゃんの記憶障害にまつわる過去には、謎解きのような要素もラブストーリーもあり、盛りだくさんなところが面白いです。ミヤビちゃんも私演じる津幡さんも、登場人物皆がそれぞれに抱える過去やトラウマを乗り越えていく成長物語という点も魅力的だと感じます。

――津幡さんの成長物語も描かれるんですね。

なぜ、ミヤビが医療行為に関わることをあれほど反対していたのかということが、3話で明らかになります。

  • 『アンメット ある脳外科医の日記』より=カンテレ提供

――津幡さんを演じていて、苦労している点はありますか。

1話、2話では感情を一切出さず、ただ怖いというキャラクターだったので、プロデューサーさんにも「優しさが出てしまっている」と指摘されて苦労しました。とにかく怖く見えるようにメイクさんと相談して眉を上げたり、原作に寄せたりと、見た目から頑張ったつもりです。

――原作から飛び出てきたような髪型ですよね。

そう言っていただけるとうれしいです。原作ファンの方にイメージを壊されたと思われないように、まずは見た目から絶対に寄せたいと思いました。今回は、出演のお話をいただいてからクランクインまで時間があったので、「原作にあわせて髪を伸ばせる!」と。

――指示されたわけではなく、吉瀬さん自ら髪を伸ばすことにしたんですか。

原作ファンの方を裏切りたくないので、髪型一つで近づけるものならば、と自分で決めました。ただ、スケジュールやいろいろな事情があり、毎回できるわけではないのですが。

  • 吉瀬美智子

杉咲花&若葉竜也は「素晴らしいお二人」

――主演の杉咲さんと、三瓶先生役の若葉さんの印象を教えてください。

これまでも共演を重ねているお二人なので、信頼関係ができあがっていて。コミュニケーションも取りやすく、周りにも気遣いができる素晴らしいお二人です。杉咲さんは、今目の前にいるのがご本人なのかミヤビちゃんなのか分からなくなるぐらい、何なら「本当に医者なんじゃないの?」と思うぐらい、役とシンクロしています。私が緊張しているときは寄り添ってくれたり、連絡をくれたりして、そんな行動もまたミヤビちゃんに重なるところがあって。

――どんな連絡をいただいたんですか。

津幡さんとミヤビちゃんの距離が縮まるシーンで、「役としては今こういう状態だから、ここまでは入ってもらいたくないと思っています」と、初めて役についてしっかり話せたんです。それまで、津幡さんは遠い距離から一方的にミヤビちゃんに怒っていたのですが、そのシーンではすごくいいセッションができて。杉咲さんが「津幡さんとして吉瀬さんが緊張感を持って演じられていることがうかがえて、相談しながらお芝居ができてすごくよかった」と連絡をくださって、素敵な方だなと。

――お芝居をしたあと、感想を送ってくださるってすごく素敵ですね。続いて若葉さんの印象も教えてください。

若葉さんは、とても存在感のある俳優さん。口数の少ない方なのかなと思っていたのですが、現場ではコミュニケーションをすごく取られて、たくさん会話されています。私も、津幡さんが感情を表に出すシーンでお互いに思っていることを言い合って、心地良く演じられました。「作品が良くなるためだったら、なんでも言ってください」とも言ってくださったので、何か思うことがあれば伝えているし、伝えられています。

――3話がますます楽しみになりました。そんな3話の見どころを教えてください。

津幡さんとミヤビちゃんが、チームとして一つになって、困難を乗り越えていく姿が描かれます。津幡さんが皆に助けられて、次のステップを踏み出すエピソードになっていますので、ぜひごらんください。

  • 吉瀬美智子
  • 吉瀬美智子
■吉瀬美智子
1975年2月17日生まれ、福岡県出身。1999年にファッション雑誌『Domani』の専属モデルに。現在は女優業をメインに活動しており、2011年にはエランドール賞新人賞を受賞。近年の主な作品にドラマ『NICE FLIGHT!』『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』、『うちの弁護士は手がかかる』、『ゆりあ先生の赤い糸』、『友情〜平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」〜』、『御手洗家、炎上する』、映画『キリエのうた』など。公開待機作に、映画『帰ってきた あぶない刑事』(5月24日公開予定)、『明日を綴る写真館』(6月7日公開予定)がある。また、2024年4月よりテレビ西日本系バラエティ番組『じもちゃんねる』(毎週火曜20:00~)にレギュラー出演している。