たばこと塩の博物館は4月27日~6月30日、「時代とあゆむ袋物商 たばこ入れからハンドバッグまで」展を、2階特別展示室で開催する。開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。

  • 金唐革腰差したばこ入れ

和装が主流だった時代、貴重品や懐紙、たばこなどを携帯する際には袋物が用いられ、江戸から昭和の初めごろまで紙入れやたばこ入れがその代表的な存在であったという。同展は『日本嚢物史』に沿い、袋物、職人や袋物商たちの歴史について4つの章で構成。たばこ入れを中心としたさまざまなジャンルの袋物、金具などの部品、絵画資料や書籍など約300点の作品を展示する。

「出かけるお供に袋物」の章では、たばこ入れを中心に、外出時のお供として作られたさまざまなジャンルの袋物を紹介する。

  • いろいろな火打袋

「見どころだらけのたばこ入れ」の章では、用と美を兼ね備えた美術工芸品としてのたばこ入れを紹介する。

  • 銭菱手更紗腰差したばこ入れ[後期展示]

たばこ入れのコレクターであった近代を代表する落語家・八代目桂文楽(1892-1971)のコレクションの一部も展示する。

  • 白地鶏頭更紗腰差したばこ入れ(八代目桂文楽旧蔵コレクション) [前期展示]

「時の流れと袋物」の章では、幕末から平成まで営業を続けた神田の山本袋物店で扱われた袋物(山本コレクション)と、明治末期から戦後まで活躍した金工・鈴木春盛の図案帳などを通し、商品の変遷を紹介する。

  • 金唐革ハンドバッグ(山本コレクション)

  • 鈴木春盛 バックル かぶと虫 日本宝飾クラフト学院蔵

「袋物商による袋物史」の章では、日本橋の袋物商イセダヰの代表社員・井戸文人が、東京美術学校(現・東京藝術大学)に寄贈した『嚢物逸品集』と『日本嚢物史』を通して、記録者としての袋物商を紹介する。

  • 井戸文人著『日本嚢物史』 東京藝術大学附属図書館蔵

同展は、前期(4月27日~5月26日)、後期(5月28日~6月30日)に分けて開催する。

入館料は、大人・大学生100円、65歳以上50円、小・中・高校生50円。休館日は月曜日(ただし、4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日。