JR東日本は15日、「羽田空港アクセス線(仮称)」の試掘調査で確認された高輪築堤の石積等に関して、高輪築堤調査・保存等検討委員会にて遺構への影響軽減検討および調査・保存の方針が示されたことを受け、JR東日本としての今後の取組みを発表した。

  • 確認箇所写真。田町駅ホームから東京方を望む(JR東日本提供)

高輪築堤は、高輪ゲートウェイ駅(2020年3月開業)の再開発で出土した遺構だが、2022年7月から2023年6月にかけて、田町駅周辺で行われた「羽田空港アクセス線(仮称)」工事着手前の試掘調査においても、高輪築堤と思われる石積の一部が見つかった。調査や委員会で検討した結果、高輪築堤と確認され、その後、2023年8月から高輪築堤調査・保存等検討委員会を開催。遺構への影響軽減検討および調査・保存の方針が検討されてきた。

JR東日本は同委員会の方針を踏まえ、「羽田空港アクセス線(仮称)」の下り勾配の開始地点を当初計画より約100m品川方に変更することで、東海道線の線路下に存在すると想定される高輪築堤の一部を現状のままで保存するとのこと。高輪築堤への支障範囲は延長約160mだったが、この計画変更により、延長約100mを現状のままで保存できると想定している。

  • 「確認箇所2」の状況。上面から撮影(JR東日本提供)

  • 工事計画略図(JR東日本提供)

一連の文献調査と現地調査の結果、雑魚場架道橋の橋台に鉄道開業時の第5橋梁の橋台が残存している可能性があること、田町駅付近は江戸時代後期に構築された薩摩台場の上に位置している可能性があることが明らかになったという。こうした調査結果を踏まえ、2024年3月の委員会において、「羽田空港アクセス線(仮称)」に支障する範囲の遺構(高輪築堤・第5橋梁の橋台・薩摩台場)を記録保存とする方針が示された。支障する遺構については、工事を進めながら港区教育委員会と連携し、考古学・鉄道史・土木史など諸分野の知見にもとづき、慎重かつ丁寧な記録保存調査を進める。

高輪築堤の一部現地保存に向けて、「羽田空港アクセス線(仮称)」における線路縦断線形の計画変更も実施。国や東京都などの関係行政と連携し、計画変更に必要となる環境影響評価手続きや工事計画の変更手続きを進めるとのこと。「羽田空港アクセス線(仮称)」の開業は2031年度を予定している。