映画『キングダム』シリーズ、『ゴールデンカムイ』シリーズなど、様々な人気作で主演を務める山崎賢人(※崎はたつさき)。新たに主役として演じるのは、若き日の陰陽師・安倍晴明だ。漫画化やドラマ化、映画化、舞台化など、あらゆるメディアミックスも多彩で人気を博す夢枕獏氏の小説『陰陽師』の安倍晴明を演じる映画『陰陽師0』が、4月19日に公開される。
■映画『陰陽師0』主演・山崎賢人の印象を佐藤嗣麻子監督が語る
今回主演を務めた山崎について、佐藤監督は「すごく不思議な人。人間離れしているというか、人間じゃないような感じがあるんです。なので、とても晴明に向いていたのだと、後になってからわかりました。獏さんの原作でも美形キャラという設定ですし、すごく合っていました。試写を観た(コミックス担当の)岡野玲子さんが『若い頃の安倍晴明はああいう顔してるんだと思ってた』と言っていたので、『やった、岡野さんのお墨付きだ!』と思いました」と絶賛。それだけでなく「彼は、一つも文句を言わないんですよ。淡々と撮影に挑む。何度もテイクを重ねても、全く不平不満を言わない、珍しいぐらいストイックな人です」と撮影での様子も明かした。
今回、源博雅役には染谷将太がキャスティングされ、のちに生涯の友となる晴明との出会いが描かれる。「晴明のキャスティングが決まった後に、凸凹コンビにしたくて、博雅は染谷さんにお願いしました。染谷さんもひょうひょうとしている人で、自分でも『難しい注文が好きだ』と言っているから、『私は』というセリフを繰り返すシーンでは『一本調子で言わないでね、よろしく』と頼んだら、さっと応えてくれました」と確実に芝居を返してくれたという。
奈緒が演じる徽子(よしこ)女王とは恋愛模様も。徽子女王は19歳、博雅は約30歳という設定だが、実際は同世代のため、佐藤監督は「奈緒さんはすごく若々しく演じてくれて」と感謝する。「勘がいい上手な方なので、手紙を見て怒るシーンも、最初は抑えめだったんですが『手紙を握りしめて、怒りながら震えてください』と言ったら、すぐに再現してくれて『うちの姪っ子が怒る時に、これやります』って(笑)。反応が良かったですね」と語った。
陰陽寮で晴明たちを指導する陰陽博士(國村隼)、天文博士(北村一輝)、陰陽師たちを束ねる陰陽頭(小林薫)といったベテランキャスト陣については「全員悪役に見える人たちをそろえました(笑)」と佐藤監督。帝を演じた板垣李光人についても「村上天皇は10人ぐらい奥さんがいるプレイボーイとして有名で、色っぽい感じがすごく合っていたと思います。中性的な感じの人がやってくれるといいなと思ってたので」とイメージにぴったりのキャスティングとなった。
作中では、山崎による晴明のアクションシーンも見どころとなっている。佐藤監督は「『アンフェア』をやっていた時は重力があるアクションにしていたのですが、晴明は狐の子だし、少し浮遊感のある方が場面にふさわしいかなと思って、アクション監督の園村健介さんにつけてもらいました。羽生結弦選手のスケート演技からインスピレーションを得て作ったと言っていたので、くるくる回るアクションなどにも生かされていると思います」と明かした。
■佐藤嗣麻子監督
1964年生まれ。岩手県出身。ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールにて映画制作を学ぶ。監督作品に、『ヴァージニア』(93)、『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』(95)、『K-20 怪人二十面相・伝』(08)、『アンフェア the answer』(11)、『アンフェア the end』(15)など。『恋におちたら~僕の成功の秘密~』(05)、『アンフェア』(06)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10)、『独身貴族』(13)、『ハイエナ』(23)などの脚本も執筆。
(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会